整形外科Q&A

ひざを動かすときに一瞬ちょっと痛みがあるけど、大丈夫?

ひざをひねったり、歩いていてむきを変えたり、立ち上がったり、歩きだしたりするときに痛みが走る。こんな経験をしたことがある人は案外多いと思います。

一歩一歩痛いのでもなければ、激痛というほどのことではないのだけれど、一瞬ズキッとひざが痛くなるのです。日常生活ではほとんど問題がないのだけれど、スポーツをする時に困ることもあります。 このようなことが起こる原因はいくつかあります。

ひざのまわりの靭帯や筋肉、腱などが炎症を起こしていて、ひざをひねったり曲げたりすると痛みが誘発される場合です。「運動をしすぎた」などという原因が全くなくても、このような痛みが出ることがあります。

多くはしばらくすると痛みが治まってきます。その間は無理に刺激をしないことが大切です。よけいなマッサージや指圧はかえって痛みの期間を長くします。

しかしこのような痛みの中には、ひざの関節の中にある半月板というクッションがいたんでいたり、関節の軟骨のすり減りはじめの症状であることがあります。このような場合は治療が必要になることがあります。

軽い症状であれば手術になることはなく、ほとんどは適切な治療で治ります。

ただ自分のひざがどういう状態かしっかりわかっていることが大切です。診察と簡単な検査で原因のほとんどはわかります。お気軽にご相談ください。

痛いところをみてもらう時、痛みどめは飲まないで受診したほうが いいの?

腰痛や関節痛などの痛みで受診する患者さんが「診察を受けるので痛み止めは飲まないで来た」とおっしゃることがあります。

痛み止めを飲んでしまうと、痛みのかげんや程度がわからなくなるので、飲まないでがまんしてきた、ということなのです。痛み止めは局所の炎症を抑えて痛みを軽くする作用があります。時によっては痛みの大半がなくなってしまう事さえあります。だから医者が診察しても自分の痛みが伝わらなくなってしまうのではないか、と患者さんは心配されるわけです。

結論から言うと、痛みが強い時には痛み止めを飲んで受診していただいてもまったく問題はありません。診察には身体診察を問診があります。

問診にはいつからどのよう痛むのか、どういう風に痛むのか、といった痛みの性状に関することが聞かれます。また痛みが軽くなっても身体診察をすれば、神経痛や関節痛などそれぞれの痛みの特徴がわかります。

ですから痛みがある時にがまんしていないで、痛み止めを飲んで受診していただいても全く問題ありません。なんという薬をいつ頃飲んだらどのくらいよくなったのかという情報も診断の上ではむしろ重要です。また痛み止めを飲んだけれど痛みがよくならない、といったことも診断の重要な参考になります。

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腰痛があるのでヘルニアが心配だけど、どうすればいいの?

腰痛にはいろいろな種類があり、ギックリ腰のように急に痛みがでることや、腰痛が長い期間続くことがあります。またしばらくするとよくなるけれど、腰痛を何回もくりかえすこともあります。

腰椎椎間板ヘルニアは通常「ヘルニア」とよばれ、腰痛の原因になることがあります。腰椎椎間板ヘルニアは椎間板がとびでて、それが神経を圧迫します。すると左右どちらか片方の足がしびれたり痛くなったりするのが特徴です。

この場合、痛みはお尻のあたりから太ももを伝って足先に及ぶことがあります。
( → Q&A「坐骨神経痛ってなに?」参照 

さて、このヘルニア、どうすれば診断できるのでしょうか。椎間板はレントゲンにはうつりません。
ですからレントゲンだけでは確定的な診断はできないのです。しかし診察で坐骨神経痛を診断することはできます。

診察で坐骨神経痛などの様子を総合して、腰椎椎間板ヘルニアと診断します。診断をよりはっきりさせるためには椎間板が見える検査、つまりMRIや脊髄造影をすることがあります。

また、椎間板がとびでていなくても、椎間板がいたむだけで腰痛の原因になることがあります。これを腰椎椎間板症といいます。この場合は足の痛みがあまりないのに腰痛が出てきます。椎間板症もヘルニアも、適切な治療をすれば腰痛はよくなります。

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坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)ってなに?

坐骨神経は腰の骨(腰椎)から出て、おしりを通って太ももの裏からふくらはぎにかけて走る人体最大の神経です。この神経に沿って痛みが出るのが坐骨神経痛。

おしりからふくらはぎの外側、ときには足のゆびまで電気が走るようにビリビリ、ジンジン痛くなることがあります。「坐骨神経痛」というのは症状の名前であって、病気の名前ではありません。

では、坐骨神経痛の原因は何でしょうか。腰が原因となることが最も多く、腰椎椎間板ヘルニアが代表的な病気です。腰椎椎間板ヘルニアでは、椎間板によって神経が圧迫され坐骨神経痛になります。

このほかに腰部脊柱管狭窄症などが原因となります。まれに腰に原因がなく、おしりのあたりで筋肉によって神経が圧迫されて痛みが出る梨状筋症候群という病気もあります。坐骨神経痛は痛みが主な症状ですが、足の動きが悪くなる運動マヒをおこすこともあります。そうなると足首をそらすことができなくなって歩きにくくなります。

坐骨神経痛の痛みは打撲やきずの痛みと違って、ジンジンしたいやな感じが伴います。これが長い間続くと痛みだけでなく気分も落ち込んできたり自律神経の不具合を起こすことがあります。治療は普通の痛み止めのほかに神経障害性疼痛治療薬という特別な薬が開発されています。

ほかにはブロック療法、物理療法などいろいろな治療があります。適切に治療すればよくなります。お気軽にご相談ください。

ひびと骨折はどうちがうの?

「ひび」という診断名はありません。意外なようですが実は、ひびは骨折のひとつです。だからひびをみたら医者は「骨折」と診断します。けがでホネに変化が起きた場合、すべて骨折になります。

ひびは普通の骨折とちがって完全に折れていないので、骨折したところでずれがありません。ですから「転位のない骨折」とか「不全骨折」ともいいます。レントゲンで骨に割れ目がはいっているけれど、完全に折れていない状態です。 これよりももっと軽いひびはレントゲンではわかりません。そういうものも骨折です。これらを不顕性(ふけんせい)骨折とか骨挫傷(こつざしょう)、あるいは微小骨折といいます。

せぼねがつぶれるのも骨の変化のひとつで圧迫骨折といいます。 患者さんはひびだと思っていたのに「骨折」といわれてびっくりしてしまいますが、そういうわけなのです。外傷性の骨の変化すべてをいっているので、軽いのはほとんど心配いりません。

当ホームページ「病気の説明」でも「ひびと骨折」について説明があります。→ こちら(「ひび」と骨折はどう違うのか)です 。

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ひざがすりへってきているといわれたけど、痛みは一生治らないの?

ひざの関節の軟骨は、年齢とともに少しずつすり減ってきます。これは加齢変化とか変性と呼ばれるもので、すべての人に起こりうることです。しかし、個人差があります。白髪を思い浮かべてみてください。年齢に応じて白髪が出てきますが、40歳で真っ白な人もいれば、80歳になっても全く白髪がない人がいるように、ひざの関節の軟骨のすり減り方も、個人差があるのです。

関節軟骨がすり減ってくると、曲げ伸ばしや立ち上がり、歩き始めに痛みが出ることがあります。しゃがみ込みや階段の上り下りの時に、ひざが痛むという症状が出ることもあります。

では、関節の軟骨がすりへってしまうと、その痛みはそれからずっと治らないのでしょうか。そんなことはありません。すり減ってしまった軟骨を元通りに再生させることは難しいのですが、痛みをとることはできます。軟骨がすりへると関節が炎症を起こします。それに反応してひざが腫れたり痛みが出るわけです。ですから炎症を止めてしまえば、少々のすり減りであれば痛みは出なくなります。

炎症を止めるには注射やお薬などさまざまな方法が開発されています。またひざの周囲の筋力強化も重要な治療方法です。すわって膝を伸ばす四頭筋訓練法は、筋力をつけることによってひざのぐらつきを防ぎ軟骨を保護するばかりでなく、血行がよくなり痛みが取れてくるという効果もあります。

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ゆびが痛いのはリウマチって聞いたけれどホントなの?

手のゆびの症状はいろいろあります。関節が腫れたり、動かすときに痛かったり、押すと痛いことなどです。そういうことが起こる病気はいろいろありますが、その中でも関節リウマチはとくに有名です。

関節リウマチは関節が破壊されたり変形してしまう病気ですが、特に手や指の関節が侵されることが多いのです。関節リウマチは、手指が朝、こわばるという症状が出ることがあります。そのうちに指の第2関節が腫れたり動かすと痛くなったりします。指だけではなく膝や肩の関節から痛くなる患者さんもいます。

関節リウマチの初期ではレントゲンでは問題がなくても、エコーをとると指の関節のまわりの炎症があることがあります。

指が痛くなる病気には関節リウマチのほかにばね指、手根管症候群、腱鞘炎、関節炎などさまざまな病気があります。さらに女性の場合、ホルモンなどの影響で手指のこわばりや痛みが出ることがあります。

専門的な診察をして総合的に関節リウマチか診断をします。(右の【教えて、整形外科】 関節リウマチ > リウマチの診断基準 参照
血液検査でわかることがあります。日本リウマチ学会ではリウマチ診療のエキスパートとしてリウマチ専門医制度があり、当院はリウマチ専門医の認定を受けています。(院長紹介>リウマチ専門医

小さな症状でも、ひとりで心配せずにお気軽のご相談ください。

からだが痛い時はそっとしている方がいいの、動かした方がいいの?

整形外科は「痛み」がある病気を主に治す診療科です。痛みといっても腰痛、肩こり、関節痛といろいろな痛みがあります。さて、痛みがある時に、からだはそっとしておいた方がいいのでしょうか、それとも動かした方がいいのでしょうか。例えば腰痛を例にとってみましょう。

ひとくちに腰痛といってもいろんな病気が腰痛の原因になります。以前はどんな腰痛でも無理せずそっとさせておくのがいいといわれていました。しかし最近は、重大な病気ではなかったら腰痛は「動かして治していく」というのが主な治療の方法になってきました。ギックリ腰のような急性の腰痛でさえ、なるべく早期からできる範囲で動かしていくことが重要だといわれています。

からだは動かさないと血行が悪くなり自律神経も不調になって、痛みが出るようになっています。動かすことによって血行もよくなり筋肉も柔軟性がでてきます。ただし腰痛の原因として重大な病気がまれにあります。その重大な病気の主なものは腫瘍、感染、内臓疾患です。これらの病気は全ての腰痛の1%にも満たないほどですが、もしそうであったら安静と治療が必要です。

また骨粗鬆症になると圧迫骨折も腰痛の原因となります。これらがないことをまずは整形外科で診てもらうことが必要です。

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腰の狭窄症といわれたけれど、なるべく歩かない方がいいの?

腰椎の中には脊柱管(せきちゅうかん)という空洞があり、その中を足に行く神経が通っています。加齢にともなって腰椎が変形してくると、脊柱管がせまくなってきます。この状態を腰部脊柱管狭窄症といいます。

腰部脊柱管狭窄症になると足のしびれや痛みがでてきます。特徴的なのは、歩いているうちにおしりやふともも、ふくらはぎにしびれや痛みがでてきて、少し休むとまたいくらかよくなるという症状で、間欠跛行(かんけつはこう)といわれています。

「歩くとしびれてくるので、歩いてはいけない」と思い込んでいる人がいますが、むしろ毎日歩いてみて、どのくらい歩いたらしびれや痛みの症状がでてくるか自己観察することが重要です。この時、しびれが出てきたら無理をして歩き続けないことです。きのうより歩く距離が長くなっていれば症状がよくなっている証拠であり、逆に歩く距離が徐々に短くなってきていれば治療の方法を再検討する必要があります。

また腰まわりの筋肉をきたえて腰を安定させることも効果的です。狭窄症の患者さんは腰をそらすと足にシビレが出ることが多いので、この点を注意しながら運動します。歩くとしびれるから、といって歩かなくなってしまっては足の筋力がおとろえ、寝たきりになってこともあるので、とにかく体を動かしましょう。

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四十肩、五十肩とかたこりはどうちがうの?

四十肩とか五十肩は、医学的には肩関節周囲炎といわれています。レントゲンを撮ると肩の関節や骨は何の問題もないのですが、肩の関節のまわりの筋肉や腱が炎症を起こします。

肩の関節がかたくなりバンザイのように、うでをあげることが痛くてできなくなります。また髪の毛を洗ったり、エプロンのひもを後ろでしばるような動作も難しくなります。このような動作は、昔は「かみを結う」とか「おびをしめる」動作でしたので、結髪(けっぱつ)、結帯(けったい)といっていました。つまり肩関節周囲炎になると結髪結帯が困難になるのです。

数か月以上症状が続くこともあるので、肩関節の運動やリハビリ、そのほかの治療が必要になります。

これに対して「肩こり」は、くびに近いところがはってきて痛みやこりが出てきます。僧帽筋などのくびから肩にかけての筋肉の血流が悪くなり、慢性化すると頭痛、気分の落ち込みや自律神経の不調をきたすこともあります。

こちらは肩の関節よりは首まわりの運動をおこないます。五十肩も肩こりも症状が強い場合は、内服薬や専用の注射もあります。痛みが長く続いてくると、意欲も減退してきて肩やくびだけの話ではなくなり、生活全体がつらく苦しくなってきます。

無理がない程度に体を動かしていくことが重要ですが、短期間、消炎鎮痛薬を使ったり、注射をすると劇的に改善することもあります。

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坐骨神経痛ってなに?

坐骨神経痛は症状名で病名ではありません。腰の骨から足に出ている神経を坐骨神経といいます。座骨神経とも坐骨神経とも書きますが、医学では一般的に坐骨神経と書きます。坐骨神経は、腰椎から出ておしりを通り、太ももの後ろを伝ってひざの裏を通過して、ふくらはぎから最後は足まで延びています。

坐骨神経は足を動かしたり、足の感覚を脳に伝える働きがあります。坐骨神経が障害されると、あしくびが反らなくなってスリッパが脱げやすくなったり、ひざを曲げることができなくなります。正座をした後に足がしびれることがありますね。あれは坐骨神経が圧迫されてしまって、しびれが出てくるのです。

坐骨神経痛のもっとも大きな原因は腰です。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症で坐骨神経痛になり、おしりから足にかけてビリビリ、ジンジンした痛みがでます。腰椎椎間板ヘルニアの坐骨神経痛は、右か左のどちらか一方に出ます。あおむけに寝て、膝を伸ばして足をあげていくと、太ももの裏がつっぱって痛みが強くなるのが特徴です。

腰部脊柱管狭窄症の坐骨神経痛は、左右両側性で、歩いていると太ももからふくらはぎがしびれてきたりつっぱってきて、休むとよくなるのが特徴です。最近は効果的な治療法が開発されています。

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骨粗しょう症の人は血液検査をするとカルシウムが低いの?

骨がもろくなる骨粗しょう症、骨折や寝たきりの原因になるだけではなく、寿命を縮めることもあるため、高血圧や糖尿病と同じように治療が大切な病気です。

骨粗しょう症かどうかを診断するためには骨密度検査が必要です。骨密度は手や足でも測ることができますが、正確な値や治療の効果を知るためには腰と太ももの骨で測ること重要であり、学会やガイドラインでも腰と太ももの骨で測ることが推奨されています。

骨を強くするためにはカルシウムが重要といわれていますが、では骨がもろい骨粗しょう症の患者さんの血液検査をするとカルシウムが低いのでしょうか。

ちょっと考えると骨粗しょう症ではカルシウムが低いように思うのですが、これはまちがいです。骨粗しょう症では血液のカルシウムが高くなることさえあるのです。これは骨からカルシウムが溶け出しているためです。

骨からカルシウムを溶け出す副甲状腺ホルモンがたくさん出てしまう病気でこうなります。骨粗しょう症では血液検査をしてもカルシウムは正常なことが多いのです。血液でカルシウムが正常でも骨粗しょう症になるので骨密度の検査がとても重要なのです。

トリガーブロックってなに?

トリガーブロックは、正確にはトリガーポイントブロックといいます。ブロックというのは痛みに対する注射のことですが、一口にブロックといっても何種類ものブロックがあります。
たとえば腰痛や坐骨神経痛に対するブロックの代表的なものだけでも以下のようなものがあります。

1)トリガーポイントブロック
2)坐骨神経ブロック
3)腰部硬膜外ブロック
4)仙骨裂孔ブロック
5)腰部神経根ブロック
6)腰部交感神経節ブロック
7)仙腸関節ブロック

これらのほかにもまだまだたくさんがブロックがあります。

トリガーポイントブロックは、これらのうちでもっとも簡便なブロックです。トリガーのいうのは「引き金」という意味で、痛みの引き金になるような、東洋医学でいう「ツボ」にあたるところです。この「痛みのもと」のようなところに、痛みと炎症を止める薬を注入するのです。

ブロックするときの痛みはほとんどありません。ほかのブロックと違って、注射後は安静の必要はなく、すぐに帰れます。腰痛にはかなり効果があり、腰痛が強ければ繰り返しすることも可能です。

ひとくちに腰といっても、お尻のあたりから背中まで広い範囲ですので、うまくトリガーポイントをブロックできると痛みが劇的に改善します。

スポーツであしくびをひねった時、運動は無理なの?

スポーツで足首のいためた場合、多くは足を内側にひねってしまう「内反強制」という状態になり、あしくびの外側が腫れたり痛くなったりします。

足首のけがは、いわゆる捻挫(ねんざ)といわれるものから、骨折までさまざまな状態があります。捻挫は、靭帯の一部が傷つき足首の外側が腫れてきます。これより強い力が加わると外側靭帯損傷といわれ靭帯が切れたり伸びたりします。場合によると骨に力が加わり腓骨にひびが入ることもあります。

どのような状態であるのか、診察、レントゲン、エコーなどを使って的確に判断し、大丈夫な場合は、必ずしも運動を休まなくてはいけないということはありません。けがの状態によってギプスや副木のような固定が必要なものもありますが、固定の期間もけがの状態によってだいぶ違います。

いずれにしても初期のクーリングが必要であり、的確な診断が最も重要です。

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ヒアルロン酸について教えてください

ヒアルロン酸は関節や皮ふにある物質で、組織の中にしみこんでおり、からだの柔軟性を高くする役目を持っています。

関節では、軟骨にも関節を満たす関節液にもヒアルロン酸があり、関節の潤滑がよくなる役目をはたしています。年齢とともにヒアルロン酸は徐々に失われてくるため、関節の軟骨がすり減ってきたり、痛みが出てくる原因になります。

現在、日本で効果が認められ保険の適応となっているものにヒアルロン酸の注射があります。ヒアルロン酸をひざの関節に直接注入することにより、関節の中に入ったヒアルロン酸が関節液や関節の軟骨にしみこんで、軟骨のすり減りをおさえたり、痛みを改善したり関節の動きをよくします。

また保険で認められている効果として、肩関節の動きが悪くなるいわゆる五十肩もあります。

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腰や肩の痛みに対するブロックという治療があると聞きました。「ブロック」というと「こわいイメージ」ですがどのような治療でしょうか?

腰痛や肩くびの痛みにブロック治療というのがあります。整形外科やペインクリニックでよくおこなわれている治療です。

「ブロック」と聞くと、なんとなくこわいイメージをいだく人が多いようですが、決してそんなことはありません。またブロックというと「麻酔のように一定の時間が来たら元に戻ってしまう」と思っている方もいると思いますが、決して「一時的なもの」ではなく、1回の治療で痛みが取れてしまうこともあるのです。

ブロックにはとてもたくさんの種類があります。例えば、腰痛に対するブロックだけでも10種類以上あるのです。お尻の先に注射をして30分ほど休んでいく「仙骨裂孔ブロック」、もっと上の、腰のあたりの脊椎に注射をする「腰部硬膜外ブロック」、腰椎と腰椎を連結する小さな関節(椎間関節といいます)という場所に注射する「椎間関節ブロック」、仙腸関節という関節をブロックする「仙腸関節ブロック」、腰椎の直近に注射する「傍脊椎ブロック」、いわゆる「痛みのツボ」をさがして、そこに注射する「トリガーブロック」などです。

このほかにも「腰部交感神経節ブロック」や「腰椎椎間板ブロック」「腰部選択的神経根ブロック」などなどです。腰の痛みだけでこれだけのブロックがあるのです。

つまり腰痛で注射をするばあい、ほとんどがこのどれかのブロックになるのです。このうちトリガーブロックは、もっとも簡便で、患者さんの痛みも少なく、もっとも多く行われているブロックです。東洋医学でいうところの、いわゆる痛みの「ツボ」に注射をするのです。数秒ですみ、注射の後もすぐに帰れますし、急性の腰痛などにはかなり効果があります。

もちろん、腰痛に必ず注射が必要ということでは全くありません。無理に注射などせずに、腰痛をとっていければよいのですが、痛みが強かったり長い場合はとても効果的です。

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「痛みどめは胃に悪い」とよく言われます。痛みどめはなるべく飲まない方がよいのでしょうか?

痛みをかかえたまま、あまりがまんしていると、痛み物質が痛い場所に蓄積して血行不良となり、ますます痛みが強くなることがあります。また痛み自体がストレスになり胃の粘膜をいためることがあるのです。

「痛み止め=胃に悪い」と短絡的に考えず、上手に痛み止めを使うことによって痛みをとっていくことが大切です。

痛みどめには多くの種類のものがあります。現在、最も使われているのが、非ステロイド系消炎鎮痛薬といわれるものです。英語の頭文字をつなげてNSAID(エヌセーズ)といわれています。現在、日本では20種類以上のNSAIDが使われています。

ジュエネリックを含めると実に数十種類の薬品があります。最も多く使われているものにロキプロフェンなどがあります。NSAIDは、体の中で、痛み物質をブロックします。しかしこの時、胃を保護する物質も同時にブロックしてしまうのです。薬は胃から血液に吸収されて、これらのことが起こるので、胃を通らない坐薬でも胃腸障害がでることがあります。

しかし、近年、この分野の研究が進み、胃の保護物質はそのままに、痛み物質だけをブロックする薬も出てきました。また、もともと胃の保護物質をブロックしない、アセトアミノフェンやプレガバリンなどの薬も使われるようになってきたのです。胃をいためないように痛みをとる方法はたくさんあります。お気軽にご相談ください。

薬局で、いままでAという後発品のお薬をもらっていました。この前、同じ処方戔を持って薬局に行ったら『内容は同じお薬ですよ』といわれて、Bという名前の後発品のお薬をもらいました。同じかもしれないけれど、以前のAのお薬の方があっていた感じがするのですが

後発品は多くのメーカーからいろんな名前で発売されています。時には10種類以上も、違う名前の同じ成分の薬があることもあります。基本的には同じものですが、使いごこちは患者さんによって微妙に違うこともあります。飲み薬だけではなく、湿布や塗り薬などの外用薬でも、同じ成分でも違う名前の薬がたくさん出ています。患者さんは、同じ後発品であっても自分に一番合うと感じたものを使っていただくのがよいのです。患者さんは遠慮せずに、医師や薬局の薬剤師にご相談ください。

処方戔を持って薬局に行ったら、薬剤師さんから『薬の名前は違うけど、中身は同じ薬だから、値段の安い薬に変えてみましょうか』と勧められました。説明を聞いてもよくわからないので、薬剤師さんの言う通りにしましたが、大丈夫でしょうか

薬には先発品と後発品(ジェネリック)があります。
後発品は先発品が発売されて数年してから、ほかのメーカーから発売されたものです。

先発品と違って開発費がかかっていないため、薬の値段が安くなります。基本的に薬の内容は先発品と同じです。
患者さんが先発品、後発品のどちらでも選べるように処方する方法を一般名処方といいます。後発品の方が、医療費が低くなるため行政や保険では、一般名処方を推奨しています。また先発品の処方でも、薬局で後発品に変更できる仕組みもあります。

なかなか難しいシステムで患者としては、よくわからないこともあると思います。よくわからない時、迷った時は医師や薬局の薬剤師に遠慮なく尋ねてください。あくまでも患者さんが主役なのです。遠慮せず安心してご質問ください。

ジェネリック薬とはどういう薬ですか?

ジェネリック薬は、開発したメーカーが発売している薬(これを先発薬といいます)以外の会社が、その薬の発売後数年してから発売する薬です。

一般的に先発薬と効果は同じですが、開発費がかからないので先発薬より安い価格で処方が受けられます。ジェネリック薬品をご希望、またはもっと詳しく知りたい方は診察の際にお気軽にご相談ください。

手術をするかしないかは、どうやって決まるのですか?

整形外科では膝や腰など、からだの痛みに対して、注射やお薬、リハビリや運動療法などさまざまな治療をします。
しかし、なかなかそれだけでは痛みがとれない時があります。そういう時には「手術」という選択肢も出てきます。
しかしこれは医師が一方的に決めるものでは決してありません。患者さんの意見をよく聞いてから、医師と患者さんが相談しながら決めていくことです。

患者さんご自身が「自分としてはどうしたいか」という希望や意見をぜひ言って下さい。そして患者さんが希望や意見をいいやすい雰囲気を作るのが医師の責任です。
「あの先生には、自分の意見はちょっと言いづらいなあ」というようなことでは、患者さんは本当に困るのです。

手術の決定には患者さんご自身が「痛くて困っているか」ということが重要です。 ある患者さんは、生活を工夫して痛みとうまくつき合っています。しかし別の患者さんは、それより軽い痛みですが、日常生活に大変困っています。するとふたりの患者さんに対する治療法は違ってくるのです。痛みを受けとめる患者さんの気持ちが治療方法を決定するのです。そして気持ちを理解するためにはなによりも患者さんのこころに対するアプローチが大切です。

このことは、とても重要なことなので、私の著書「腰痛をこころで治す -心療整形外科のすすめ」(PHPサイエンス・ワールド新書)にもくわしく書きました。お気軽にご相談ください。

詳しくはこちらのブログもご覧ください→2014/07/20、2014/07/27、2015/08/23のブログへ

歯の治療を受けています。骨粗しょう症のお薬が、歯の治療の影響すると聞きました。どうすればいいでしょうか。

現在、骨粗しょう症に最も多く使われている薬に、ビスフォスフォネート(BP)というものがあります。ビスフォスフォネートは、何種類もあります。

朝起きたらすぐに、朝食の前に飲むタイプの薬で、週に1回、あるいは月に1回だけ飲むものが多く使われています。
このお薬は大変よく効くのですが、歯医者さんで抜歯などの治療をするときはしばらくの期間、休薬することが望ましいことがあります。抜歯後、あごの骨に不調をきたすことがあるからです。歯の先端を研磨するような治療には基本的に影響はありません。抜歯などの深いところまでする治療の時だけです。

危険度が高くない場合は、必ず休薬しなければいけないというものではありません。大変少ない頻度で、1万人にひとりといわれています。薬を休むかどうかという判断は、医師と歯科医が検討し、ポジションペーパーという指針が作られています。

そして休薬中は、別の薬に変えることもできます。骨粗しょう症のお薬を出す医師と、歯の治療をする歯科医師が連絡をとり、対策を考えます。

当院では歯科の先生との連絡をしっかりとり、患者さんがこまらないように手配させていただいています。
お気軽にご相談ください。

骨粗しょう症のお薬をもらっています。いつまで飲めばいいのでしょうか

骨粗しょう症は骨がもろくなる病気です。骨粗しょう症になると骨折をおこすことがありますが、問題はそれほかにあります。

骨粗しょう症になると慢性の腰痛をおこすことがあります。また背中が丸くなったり、足がふらつき転びやすくなることもあります。また疲れやすくなり、元気がなくなったりします。症状が強くなると寝たきりになることさえあるのです。
骨粗しょう症では認知症になりやすくなり寿命が短くなる、という研究結果もあります。骨が弱るという事は、決して骨だけの問題ではないのです。

最近の骨粗しょう症のお薬はとてもよくなり、骨が弱くなるのを防ぐだけでなく、治療を続けていると骨密度が高くなっていきます。 しかしこれには少し時間がかかります。高血圧やコレステロールと同じように、骨粗しょう症も1ヵ月や2カ月ではなおりません。
骨を強くするのにはある程度の時間がかかるのです。

骨粗しょう症の薬は現在30種類近くのものがありますが、少し時間をかけて続けることが肝心です。 まずはお薬を半年続けてみましょう。重要なことは、ただ漫然とお薬を飲み続けるのではなく、定期的に骨密度を測定し、骨の働きを測るための血液検査をすることです。そして、その結果をみて、患者さんと今後どうするかを相談します。お気軽にご相談ください。

湿布はどの程度効くのですか。また冷たい湿布と温かい湿布、どっちがいいですか

貼り薬には大きく分けて2種類があります。白くてちょっと厚くて、貼る面がぬるっとしているものを「パップ剤」といいます。
これに対して、ベージュ色をしていて薄いものは「テープ剤」です。テープ剤の多くは「非温感タイプ」といって温かくも冷たくも感じません。要は、皮膚から痛みをとる物質が徐々に染み込んでいくのです。

最近はテープ剤が大変多く使われています。テープ剤は軽くはがれにくく、貼る瞬間もヒヤッとする感じがありません。
逆にパップ剤のヒヤッとするところがいいという患者さんも多く、この感じが痛みに効くこともあります。
テープ剤とパップ剤は、どちらをどういう時に使う、と決まったものではなく、要は「患者さんの貼りごこち」が大切で、それによって使い分けていいのです。

温かく感じる成分は、トウガラシの成分などがふくまれており、これにはパップ剤にもテープ剤にもあります。 最近の貼り薬には、炎症を止めて、同時に痛みをとる薬が、成分として含まれているものがほとんどです。ですから、非温感の貼り薬は温かくも冷たくもないのですが、皮膚から痛みをとる薬が吸収されます。これが、温かくも冷たくもない貼り薬で痛みがとれるしかけなのです。

肩がこった時や手足の痛い時に、ふろに入って寝る前に貼り薬をすると、翌日には痛みがだいぶ取れています。飲み薬より効くこともあります。
たかが貼り薬、と思わずに試してみてはいかがでしょう。

手や指の関節が痛かったりこわばったりします。リウマチが心配です

リウマチは自己免疫疾患という病気のひとつです。免疫は本来外敵から自分のからだを守るものですが、その免疫に異常が起こり、自分自身の関節を外敵と勘違いし、免疫の標的になってしまい、破壊されてしまいます。

リウマチの初期には、手の指の関節に腫れや痛みが出てきます。しかし関節痛がはっきりしないこともよくあります。

「なんとなく手がこわばる」
「指を曲げる時に関節に違和感や軽い痛みがある」
「手がむくんでいるような気がする」
「指の節が腫れぼったい」などの症状もあります。

痛みや腫れではなく、しびれやほてりといったこともあります。そのため最初のうちは手根管症候群とかバネ指、頚椎症と診断されることもあります。
またリウマチの最初の症状は、必ず手の指から始まるわけではありません。膝や肩が最初に痛くなったり、足や手首の痛みから始まることもあります。

リウマチはしっかり診断し治療をしていけば、きちんと治ります。リウマチは正しくは「関節リウマチ」といいます。以前は「慢性関節リウマチ」という病名でしたが、お薬の進歩で、慢性にならずに治るようになったため病名から「慢性」がなくなりました。
手や指の違和感があって心配であれば、ぜひ受診していただき、リウマチの診察や検査を受けてみてください。お気軽にご相談ください。

肩こりがあります。肩こりで医者にかかっていいものかどうかわかりません。どうしたらいいでしょうか。

肩こりは決して簡単な病気ではありません。肩こりの原因には変形性頚椎症、頸椎椎間板ヘルニアなどいろいろな病気があります。またレントゲンで異常がない頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)も肩こりの原因のひとつです。

肩こりはくびすじから肩、うでにかけて広がります。肩甲骨にそって背中全体に広がることもあります。このような痛みが続くと、とてもつらいものです。
コリが強くなると僧帽筋(そうぼうきん)という筋肉の中に「トリガー」というコリコリの芯がさわるようになります。このトリガーは、MRIなどの最新の機械を使っても、決してみつけることができません。熟練した医師の診察でしかわからないのです。

首のまわりには自律神経がはりめぐらされており、肩こりがひどくなると頭痛や吐き気、めまい、ほてりや目の痛みなどいろいろな症状が出てきます。さらにこれが長く続くと、やる気の喪失や、睡眠障害、仕事の能率の低下などの症状が出てきて、日常生活に大変な支障を来たします。
「肩こりは体質だから仕方ない」とあきらめないで、コリと痛みをとって快適な生活を送るためにぜひ受診してください。

強い痛みではないのですが、しびれや違和感があります。うまく言い表しにくいのですが、どうしたらいいでしょうか。

「痛みはあまりないけれど、どうもくびと肩が変な感じ」
「手や足になんとなくシビレがある」
「痛みはないのだけれども、腰と足に力が入らない」
「腰とお尻に、すっきりしないしびれのような違和感がある」

このような患者さんが大勢いらっしゃいます。
「強い痛みではないから、受診した方がいいのかどうか迷っていた」という患者さんもいます。
こんな時は、遠慮せずに、ぜひ受診することをお勧めします。
からだの症状はなにも痛みだけではありません。痛みのほかにシビレや違和感、重い感じ、力が抜ける感じ、もやもやした感じ、かたい感じ(信州弁では「こわい感じ」)など、さまざまなものがあります。

これらの症状には、脊椎や坐骨神経、自律神経が複雑に関係していることがあります。
「何もしていないのに腰が重だるい感じになった。強い痛みはないけれど、原因がわからないので不安」ということもあります。
からだに痛みやだるさなど、何らかの症状があると「どうして」「なにが原因」「難しい病気ではないだろうか」ということが、不安になります。こういう心配をかかえたまま過ごすことは決してよいことではありません。

患者さんの症状は、それぞれ個人の「体感」ですから、うまく言い表しにくいのが普通なのです。遠慮せず、からだの症状で心配な時は、どんな症状でも受診してみてください。診察と検査をして現在の状態がわかれば、気分も晴れやかになり、症状自体も劇的に改善することが多いのです。

リハビリをしたいのですが?

腰や肩、膝などの痛みにはリハビリがとても効きます。

当院では低周波装置や温熱療法などの物理療法を中心にリハビリを行っています。
リハビリも確立した医学の一分野であり、専門的な知識が必要です。

日本リハビリテーション医学会では、5年以上の研修を修め資格試験に合格して認定されるリハビリテーション専門医を認めています。
リハビリテーション専門医は長野県内でも34名しか認定されていません(2013年10月現在)。(長野県リハビリ専門医名簿
当院では専門医である院長が診察し、有効なリハビリを行います。

骨粗しょう症が心配です。骨密度を測ってもらえますか?

骨粗しょう症は骨がもろくなる病気です。

加齢とともに骨はもろくなり、骨がもろくなると骨折をしやすくなるばかりでなく、背中が曲がってきたり身長が短くなったりします。
骨はからだの中心にあります。その中心がもろくなれば筋肉や内臓にも影響が出てきます。体力がなくなり、ロコモと呼ばれる運動器症候群になる原因の一つです。

当院には世界で最も信頼されている最新式の骨密度測定器があります。からだの中心にある腰と股関節の骨の質を数分で計測できます。最近は行政でも積極的に骨の検査を行うように呼びかけていますので、ぜひ検査を受けてみてください。

検査の結果はとてもわかりやすくプリントされ、すぐに結果と今後の対策などを患者さまにお伝えします。