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テニスしなくてもテニス肘【MGプレス連載- 動いて健やかに86】

上肢

「テニスもしてないのに、なんでテニス(ひじ)になるの?」1か月前から肘が痛い40代の患者さんが首をかしげました。

テニス肘はテニス以外の理由で痛くなることの方が圧倒的に多く、私の実感ではテニスが原因でテニス肘になった人は10人に1人もいません。成長期の小中学生が、ボールを投げ過ぎるとなる野球肩や野球肘はもちろん野球が原因。ところがテニス肘はテニスで痛くなるとは限らないのです。昔の医者が、たまたまテニスで痛くなった患者さんを診てテニス肘と名付けたので、それから慣習としてテニス肘というようになったのでしょう。つまり「テニスでなる」のではなく「テニスでもなる」ということ。

例えばフライパンを使うコックさん、コテで壁を塗る左官さんなど、道具を持って手首を使い肘に負担がかかる職業の人がなることがあります。ただ必ず原因があるとは限らず、覚えがないのになることもあれば、利き手でない肘がなる時もあります。

テニスはラケットを持つ利き手に強い衝撃がかかるスポーツ。特に利き手の反対側に来たボールを打つバックハンドの時には肘の外側に強い力が加わります。肘の外側の骨が出っ張っているところを外上顆(がいじょうか)といい、ここは手首や指を伸ばす筋肉が骨につくところ。この筋肉の付着部に繰り返し負担がかかると炎症が起こり付着部炎になります。付着部炎は腱鞘炎のようなもので、ひとたび痛くなるとなかなかすぐには治りません。これがテニス肘の正体です。

一方、肘の内側には指を握ってグーを作る筋肉がついていて、ここを内上顆(ないじょうか)といいます。ゴルフのスイングでは内上顆が痛くなるのでゴルフ肘ということがありますが、もちろんゴルフ以外の原因でもなります。テニスやゴルフをしてないのにテニス肘、ゴルフ肘というのも変なので、テニス肘は外上顆炎(がいじょうかえん)、ゴルフ肘は内上顆炎という病名を使うこともあります。

MGプレス 動いて健やかに86
2026年3月24日掲載

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