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寒さが及ぼす体への影響【MGプレス連載- 動いて健やかに83】

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「寒いと、どうも関節が痛くてね」と70代の患者さんが言いました。そう、1月下旬は二十四節気の最後となる大寒、1年で一番寒い季節です。日本人の居住地の平均標高は約60mで、しかも全人口の3割が標高10m以下に住んでいるのだそうです。一方、標高500m以上の高所に住んでいるのはわずか2%。松本城の標高は590mですから、今、このMPプレスを手にしている読者の多くは、高地に住む日本の中のごく少数派なのです。松本は豪雪地帯ではありませんが、高い標高で盆地のため、冬の冷え込みが厳しいのは周知の通り。私は生まれも育ちも松本ですが、還暦を過ぎてもこの時季の寒さには毎年閉口します。

さて低い気温は人間のからだにどう影響をおよぼすのでしょうか。人間は哺乳類で恒温(こうおん)動物です。恒温動物は、爬虫(はちゅう)類や魚類などの変温動物と違い、周囲の温度に左右されることなく体温を一定に保つ能力があります。人間の体温は約37℃。この体温を維持するためには、温かい所より寒い所の方がエネルギーを必要とします。エネルギーをたくさん使うと疲労が蓄積しやすくなり、からだがだるく感じたりします。

また寒いと血管が(ちぢ)んで血のめぐりが悪くなり、心臓や肺のような内臓に負担がかかります。ヒートショックはその最たるもの。内臓だけではありません。筋肉は硬くなり、関節の動きが悪くなり、神経の血流も少なくなります。関節痛や神経痛が冬場に気になる患者さんが多くなるのはこのため。また寒い時季は空気が乾燥するので、細菌やウイルスが人体に侵入しやすくなります。これを予防するにはバランスのよい食事と適度な運動が大切です。

 来週は節分があり、その翌日は立春。待ち遠しい春はもうすぐです。「小寒の氷、大寒に解く」といいます。小さな春の(きざ)しを見つけながら体調をしっかり管理して、残り少ない冬を健康に過ごしましょう。

MGプレス 動いて健やかに83
2026年1月27日掲載

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