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心と体「レジリエンス」を【MGプレス連載- 動いて健やかに37】

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新聞やテレビ、ネットで「レジリエンス」ということばを最近よく目にします。レジリエンスには回復力とか弾力という意味があります。ストレスや困難に遭遇しても、それをはね返して打ち勝つことができるのがレジリエンス。ビジネス用語としても使われており、危機に強い会社を「レジリエンスがある会社」といいます。二十年ほど前「しなやかな県政」と、さかんに言っていた知事さんがいましたが、今でいえばこのレジリエンスのことを言いたかったのですね。

こころのレジリエンスは、ストレスに負けずに回復するメンタルのことです。よく「心が折れる」といいますが、これはレジリエンスがなくなった状態。「こうと決めたらテコでも曲げない」とか「鉄の信念」という言い方があり、なんとなく立派に感じますが、それだけでずっと頑張っていると急にポキっとこころが折れてしまうので、時には柔軟に考えを変えていくことも必要なのです。

こころと同じようにからだもレジリエンスが大事。骨は硬いのですが、ただ硬いだけがいいのではありません。ガラスと木を思い浮かべてください。爪で木の表面とひっかくと傷がつきますが、ガラスにはつきません。ではガラスの方が強いのかというと、高いところから落として割れてしまうのはガラス。木片はガラスよりレジリエンスがあります。ただ硬いだけで質のよくない骨は、レジリエンスがなく逆に骨折しやすいのです。筋肉も同じことが言えます。ただ強いだけの筋肉ではダメで、ストレッチに耐えられる柔軟さがないと運動によって傷めてしまうことがあります。関節や、腰、首も同様で、ゴリゴリに硬くなった体は関節痛や腰痛、肩こりの原因になります。からだを動かすということ、つまり適度な運動はこころとからだのレジリエンスを保ちます。こころとからだのレジリエンスをキープして、しなやかで楽しい日々を送りましょう。

MGプレス 動いて健やかに37
2023年9月26日掲載

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