年をとると身長が縮んだり、背中が丸くなったと感じることがあります。首から腰までの間には24個のブロックのような形をした椎骨が積み重なっています。この椎骨が徐々につぶれてくると、身長が縮んだり背中が丸くなるのです。その原因は骨粗しょう症。骨が弱くなる病気で、閉経後の女性に多く、日本で1500万人の患者さんがいます。骨粗しょう症で背骨がつぶれてくるのを圧迫骨折といい、圧迫骨折は自分でも知らないうち痛みもなく起こることがあります。
身長が縮んだかどうかは測ればわかりますが、「背中が丸くなってきた」というのは主観的なものなので、はっきりしません。背中が丸くなるのを円背といいます。円背にはいろいろな種類があり、腰が丸くなる場合もあれば、もっと上の肩甲骨のあたりが丸くなって、いわゆる猫背になるタイプ、ほかには首が前に突き出てきてしまうタイプがあります。
円背かどうかを自分で調べる方法があります。まず壁に背中がつくようにして立ってみます。踵とお尻を壁に密着させてください。次に背すじを伸ばして顎をひき「気をつけ」の姿勢をします。この時、後頭部がしっかり壁につけば大丈夫。円背になると後頭部と壁の間にすき間ができてしまい、無理に後頭部を壁につけようとすると、顎が前に突き出ます。こうなると円背かもしれませんので、背骨のエックス線検査と骨密度検査が必要です。
円背になると、仰向けに寝ることが大変になってきます。まっすぐ上を向いて寝ることができないので、横向きに寝るのが楽になります。無理に仰向けに寝ようとすると、右か左のどちらかに傾いてしまいます。40才になったら女性は5年に1度の骨粗しょう症ふしめ検診があります。骨粗しょう症はきちんと治療すれば治る病気ですので、ぜひ検診をうけてください。
MGプレス 動いて健やかに78
2025年10月14日掲載
