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骨粗鬆症に大切な3本柱【MGプレス連載- 動いて健やかに13】

骨粗しょう症

日本で1300万人の患者さんがいる骨粗鬆症。40才以上の女性では4人に一人が骨粗鬆症といわれています。しかし適切な治療を受けている患者さんはとても少ないのです。女性は5年に1回の節目検診をぜひ受けてください。

「血圧は大事だけど、骨はまあいいや」と考える人が多いのですが骨粗鬆症も大切。骨粗鬆症は骨折が怖いだけではないのです。骨粗鬆症になると寿命が短くなることが明らかになっています。骨は体を支えるだけでなく、免疫、造血、循環などからだのあらゆる働きと密接な関係があります。体の各部により骨密度は違いますが、中でもからだの心棒であるせぼね(脊椎)と足のつけ根(大腿骨近位)が重要です。

予防には食事と運動。まず食事ですがカルシウムだけが大切なのではありません。骨はカルシウムのほかにタンパク質などの物質でできています。だからバランスの良い食事が大事。

それから運動。骨は「繰り返しの衝撃」によって強くなります。逆にやさしくそっとしておくと、骨はどんどんもろくなっていきます。寝たきりになると骨密度は低下し、無重力状態の宇宙飛行士が骨粗鬆症になりやすいのはよく知られています。ではどんな運動がよいのかというと、ウォーキングがお勧め。歩くことによって地面から足を通して体の縦軸に繰り返しの衝撃を与えることができます。足の丈夫な人でしたら1日2キロ、膝や腰に弱点がある人も無理のない範囲で歩いてみてください。ちょっと速足で息がはずむくらいのペースで。外を歩けば日光にあたって体内でビタミンDも作られ一石二鳥です。

骨粗鬆症のお薬は、十数年前から長足の進歩を遂げて現在多くの種類があります。しかしお薬だけでは決して骨は強くなりません。バランスの良い食事と適度な運動、そして適切な薬による治療、この3本柱で骨粗鬆症は治るようになってきたのです。

MGプレス 動いて健やかに13 
2022年3月1日掲載

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