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現在のリウマチ診断法【MGプレス連載- 動いて健やかに74】

リウマチ・痛風

手のこわばりは女性に多い症状。更年期や妊娠中、産後に起こることが多いので、女性ホルモンと関係しているといわれますが、はっきりした原因はわかっていません。関節リウマチは手足の関節が変形する病気なのですが、このリウマチの症状に「手のこわばり」があります。

リウマチの診断方法や治療は、私が医者になった40年ほど前と比べると格段に進歩しました。リウマチの治療を始めるには、まず患者さんがリウマチかどうかを診断しなければいけません。そのためには血液検査が必要なのですが、検査項目にはリウマチ因子や(こう)CCP抗体(こうたい)、抗核抗体などがあり、単純にひとつの項目だけでリウマチかそうでないかが決まるのではありません。また病気の勢いを病勢といいますが、リウマチの病勢を調べるには、炎症がどのくらい強いのかをみるCRPや血沈、関節が破壊されているかを調べるMMP3など、さまざまな検査項目があります。

さらにここで重要なのは、血液検査だけでリウマチかそうでないかを診断できるわけではないということ。腫れや痛みがあるのはどんな関節か、痛みはいつからあるのか、これらの診察に血液検査の結果を加えて、決められた方法に従って診察し医者が診断します。だから血液検査で大丈夫なのにリウマチと診断されることもあるのです。

もう一つ重要なことは、1回検査をして大丈夫なら、その後一生リウマチにはならないというわけではないということ。胃カメラで1回大丈夫だったら、そのあと一生胃カメラをやらないでいいかというと、そんなことないのと同じです。血液検査で異常のなかった患者さんが、しばらくしてもう1回検査してみたらリウマチの項目が陽性になっていたこともあります。

MGプレス 動いて健やかに74
2025年8月5日掲載

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