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筋肉使わないと悪循環に【MGプレス連載- 動いて健やかに31】

整形外科一般

最近、新聞やテレビでサステナブルとかリスキリングなどのカタカナ用語が頻繁に使われており、戸惑ってしまうことがあります。医学用語もしかり。内臓肥満に高血圧や糖尿病、脂質異常症が合併して心臓病や脳卒中になりやすい「メタボ」はメタボリック症候群のことで、メタボリックは代謝という意味です。

ロコモは以前このコラムでも取り上げたロコモティブ症候群、つまり運動器症候群の略称です。ロコモはからだを動かす能力が低下して介護が必要になる状態。筋肉がやせることをサルコペニアといいます。サルコペニアはロコモの原因の一つです。筋肉は使わないでいると「廃用性萎縮」といって弱く細くなっていきます。だからロコモ予防には筋肉を使う生活、つまり面倒くさがらずこまめにからだを動かす生活を送ることが大切。

ロコモでからだを動かさない生活が続くと、次第にメンタルに問題が出てきて、気持ちが落ち込んで意欲がなくなり倦怠感が強くなります。この状態をフレイルといいます。フレイルになると食欲もなくなってサルコペニアがさらに進行するという悪循環になります。フレイルは虚弱という意味です。フレイルになると「からだ=フィジカル」に加えて「こころ=メンタル」に問題が生じる結果、「引きこもり=ソーシャル(社会的)」の問題が出てきます。フレイルには内科や整形外科の医者だけではなく、リハビリや心理の専門職、福祉や生活に関してのアドバイザーが協力して患者さんの治療にあたります。

今日のコラムではたくさんのカタカナを説明しましたがいかがでしたか。さてまとめです。からだを動かさないでいるとサルコペニアになり、それが原因でロコモになるとフレイルに進行します。フィジカル、メンタル、そしてソーシャルすべての面での健康を保つためには、仲間を作っておしゃべりをして笑顔を忘れず、積極的にからだを動かす生活をこころがけることです。

MGプレス 動いて健やかに31
2023年6月6日掲載

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