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運動で「今」を感じてみよう【MGプレス連載- 動いて健やかに66】

整形外科一般

「こころ」と「からだ」は二人三脚のようなもの。いつも手を取り合って歩いているので、どちらかが一方がつまずくと、必ずもう片方も転んでしまいます。ひとは生きていると、職場、家族、人間関係、将来、お金などさまざまな問題に直面します。考えないでおこうと思っても、気がつくと同じ悩みが頭の中をぐるぐる回っていることもあります。

そんな状態が続くと、からだに不調が出てきます。肩こりや頭痛、腰痛などのからだの痛みや、動悸、腹痛、めまい、息苦しさのような症状はメンタルの状態と深く関係しています。何かにおびえたり、不安を感じて緊張が続いたり、他人の目を気にしたりしているとからだの筋肉は緊張します。筋肉が緊張すると血行が悪くなり、筋肉痛や神経痛が出やすくなります。

「気にしない!」と思い過ぎていると、「気にしない!」と念じていること自体がますます緊張を高めてしまいます。「何も考えないぞ!」と思っても「何も考えない!」と自分に言い聞かせることが、こころのエネルギーを使うので、そのうちに疲れてしまいます。そんな時は、とりあえずからだを動かしてみてください。悩みから距離をとることができて楽になります。体操でもウオーキングでもなんでもいいんです。散歩するなら、周囲の景色を眺めて「今」だけを感じること。過去の後悔や未来の不安を考えない。今、自分が前を見て呼吸をして歩いていることだけを、ただ感じてみてください。

私のクリニックからは北アルプスが見えます。数十年、松本平に暮らしていますが、何度、この北アルプスの美しさにこころ救われたかしれません。その美しい姿を誰に見せたいわけでもなく、ただそこにあるだけの北アルプス。こころの緊張をほどいて、北アルプスを眺めながらゆっくり深呼吸をしてみましょう。こころとからだの不調はこんなことでずいぶん楽になることがあります。

MGプレス 動いて健やかに66
2025年3月4日掲載

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