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筋肉増やす「いい痛み」(MGプレス 動いて健やかに39)

運動と体操

このコラムで以前紹介しましたが、筋肉はマイオカインという物質を作ります。マイオカインは脂肪を燃焼させ免疫力をアップし、がんや認知症、心臓病やメタボなどを予防する万能ホルモンです。からだを動かすと寿命が延びるのは、筋肉が強くなってマイオカインができるから。逆に筋肉が衰えると病気と寝たきりのリスクが高まります。
筋肉は50才を過ぎたころから急に減ってきます。加齢による筋肉の減り方は、男性の方が女性より目立ちます。ですから、年をとったからといってあきらめないで、日々の運動をこころがけて筋肉を維持することが大切、80才をすぎても筋肉は運動によってきたえられます。

普段あまり運動の習慣がない人が、久しぶりに体を動かしてみると翌日筋肉が痛くなります。急な運動の後に筋肉が痛くなるのは当たり前。でもどうしてでしょうか。からだを激しく動かすと筋肉にミクロのキズがつきます。このミクロのキズに体が反応して筋肉を修復します。この修復の時に筋肉が増えるのです。つまり筋肉を強化するには、筋肉にミクロのキズがつくことが必要不可欠。筋肉は傷つきながら強くなるのです。苦労をせずに育った人より、逆境を乗り越えてきた人の方がストレスに強いのと同じです。このミクロのキズの修復の時に感じるのが筋肉痛なのです。

時には筋肉痛を感じるくらいの運動をしてみてください。ここちよい筋肉痛は健康の証拠、つまり筋肉痛は筋肉が増えるための「いい痛み」なんです。しかし痛みにはこのような「いい痛み」だけではなく、我流で不自然なトレーニングや過度の運動によって軟骨、靭帯、関節に傷害をおこしてしまう「悪い痛み」もあります。いい痛みは心地よく悪い痛みは不快に感じます。この二つの痛みは直感で区別できるときもありますが、痛みが数日も続くとちょっと心配になってきます。心配なら遠慮せず整形外科を受診して相談してみてください。

MGプレス 動いて健やかに39
2023年10月31日掲載

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