膝の関節の軟骨がすりへる病気を変形性膝関節症といいます。病気といっても加齢と関係しているので、高齢者の多い日本ではまさに国民病といっても過言ではありません。調査によって多少の違いはありますが、60才以上の人では、男性の5割、女性の7割以上の人がなっているといわれています。
ただこれは、X線検査をすればそれだけの人に変形性膝関節症がみつかる、ということであって、X線で変形性膝関節症のある人は、みんな治療が必要だということではありません。X線検査で変形性膝関節症の人は日本で3000万人いるといわれていますが、そのうち痛みの症状がある人は1/3の1000万人なのです。
膝のX線検査は変形性膝関節症の進行度によって0から4までのグレード分類があります。正常は0で、1以上が変形性膝関節症です。正常か変形性膝関節症か微妙な1、初期の2,進行期の3、関節が激しく破壊された4までの5段階に分けられます。
X線検査をしたら変形性膝関節症か、そうではないかが、白黒はっきりわけられるわけではありません。正常のグレード0とごく初期のグレード1の見極めは難しく、医者によって診立てが異なることもあります。またグレード1や2ではほとんど痛みがない人も多く、これがX線では3000万人の患者さんがいるのに、痛みのある患者さんはその1/3の1000万人といわれる理由です。
さらに難しいのは、例えば同じグレード3の2人の患者さんがいるとして、この2人が同じように痛むとは限らないのです。不思議なことに、同じすり減り具合でも痛みが強くて困る人と、痛みをほとんど感じないで生活に支障がない人がいます。こういう場合、どんな治療をするかはX線検査の結果ではなく患者さんの症状によって決まります。
変形性膝関節症の初期は、「よいしょ」と立ち上がる時や歩き初めに膝が痛むのが特徴です。軽い症状でも心配があれば整形外科で相談してみてください。
MGプレス 動いて健やかに94
2026年8月25日掲載
