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関節・神経・脳に良い運動を【MGプレス連載- 動いて健やかに76】

運動と体操

健康を維持するためには、なによりも運動が重要。ただ一口に運動といっても、ストレッチ、筋トレ、体操やウオーキングなどいろいろなものがあり、何をすればいいのか迷ってしまいます。患者さんに運動を勧めると「どんな運動がいいの」とよく質問されます。

腰や関節の痛みは加齢と関係しますが、腰や関節だけが老化するのではありません。痛みは①腰や関節→②神経→③脳の順に伝わっていきます。このうち①の腰や関節が加齢によって変形したりすり減ったりすると痛みが出てくるのは当然。しかしその痛みを伝える②神経や、痛みの信号を受け取る③脳も加齢によって変化するのです。

神経は加齢によって炎症を起こしやすくなり、さほどではない痛みが慢性の痛みや強く激しい痛みに変わってしまうのです。痛みを伝える神経のひとつに坐骨(ざこつ)神経があります。坐骨神経痛は腰が原因のことが多いのですが、腰ではなく坐骨神経そのものが原因になることがあります。また痛みの信号を受け取る脳が老化すると、弱い痛みを強く感じるだけでなく、痛みのために気分が落ち込んだり、意欲が低下します。

腰や関節はからだのいわば「出先機関」。ですから出先機関だけを考えた運動では不十分なのです。①~③全部の加齢や老化を予防するには、神経や脳にも効く運動が必要。このような運動をマインド・ボディ運動といいます。マインド(気持ち)にもボディ(からだ)にも効果がある運動です。どんな運動かというと、ただやみくもにからだを動かすのではなく、リラックスした気持ちでする運動。呼吸を整えながらする体操や、穏やかな気分でのウオーキング。これらはもう立派なマインド・ボディ運動です。マインド・ボディ運動は副交感神経に効き、血流を改善し脳を活性化します。あまりいろいろな情報にまどわされず、気楽な気持ちではじめてみてください。

MGプレス 動いて健やかに76
2025年9月9日掲載

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