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とにかくからだを動かすこと【MGプレス連載- 動いて健やかに2】

運動と体操

腰痛や肩こりに悩まされているうちに、次第にからだを動かすことが怖くなることを恐怖回避思考といいます。からだを動かさなくなると、血のめぐりが悪くなり筋肉がカチカチになってしまいます。するとますます痛みが強くなり、運動不足と痛みの悪循環に陥ります。

とにかくからだを動かすことが大事。では、具体的にどんなことをしたらいいのでしょうか。本やネットには多くの腰痛体操が紹介されているので、どれが一番いいのか悩んでしまいます。実は、腰痛を治す決定打となる体操や運動はないと、ガイドラインにも書かれています。つまり何をやってもいい。こう聞くと、さぞがっかりする読者もいると思います。

ネットやテレビからあふれ出る情報の洪水におぼれそうになっている現代人のもっとも苦手なことは、自分で考えること。「何をやってもよい」では何もできず、「この体操をやれ」「あの運動をしろ」と指定されないと何もできない。「何をやってもよい」とは、「何をやっても効果がある」ということなのです。しかし、えてしてどんな運動がいいか悩んでいる人ほど、頭で考えすぎて実際にはからだを動かしていません。とりあえずからだを動かしましょう。からだを動かすことならなんでもいいです。それでも何をしていいか戸惑っている人に、私はウォーキングをお勧めしています。ウォーキングは足だけの運動ではありません。ウォーキングは腰や背中、肩やくびなど全身の筋肉にいいだけでなく、なによりも恐怖回避思考がなくなり気持ちが前向きになっていきます。ただしウォーキングを始める前に重大な基礎疾患がないことを必ず医師に確認することが大事です。

では、どんなウォーキングがいいのでしょうか。「どのくらいの速さで?」「散歩でいいの?」「犬を連れて歩くのは?」こころとからだに効果的なマインドフルネス・ウォーキングという方法があります。その具体的なやり方については追ってお話ししていく予定です。

MGプレス 動いて健やかに2
2021年5月11日掲載

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