前回は肩こりの原因となるストレートネックについてでした。
今回は腰のお話です。首から腰までつながる脊柱はまっすぐではありません。うまい具合にしなっていて、全体が絶妙のバランスでからだを調節しています。正常の腰は首と同じように「前弯」といって、前に凸にしなっています。ところが腰痛の人のエックス線をみると前弯に異変があり、これが腰痛の原因になります。腰の骨の並びの異常は大きく分けて3つです。
ひとつ目は前弯がなくなって、まっすぐな腰になってしまう場合。まっすぐな首はストレートネックといいましたが、このような腰はストレートバック、つまり「まっすぐな腰」といいます。まっすぐになってしかも前のめりに傾きます。
二つ目は、前弯が強くなりすぎる「反り腰(そりごし)」です。
運動不足で腹筋と背筋のバランスが悪くなったり股関節に病気があると反り腰になり、脊柱管狭窄症の症状が出やすくなります。反り腰ではお尻が突き出すいわゆる「出っ尻(でっちり)」になります。
三つめは腰が丸くなる後弯です。後弯では背中全体が丸くなる「円背(えんぱい)」になります。
背中が丸くなると身長が縮み、いつも地面をみているような格好になってしまい、歩く時に杖が必要になります。骨や筋肉が弱くなると後弯になります。骨がもろくなって骨粗鬆症による圧迫骨折を起こしたり、腰まわりの筋肉が弱くなってせすじをスッと伸ばすことができなくなると円背になります。
腰は胴体の中心、体の幹と書いて体幹(たいかん)といいます。つまりからだの芯棒、根幹になるところです。骨と筋肉の老化は芯棒をきしませてしまいます。体の根幹が異常は、腰痛の原因だけではなく万病のもとになります。これを予防するには骨と筋肉を、日々きたえて丈夫にする、そのためには「食と運動」がとても重要です。
バランスのよい食事と適度な運動がよい腰を保つ最良の予防法です。
MGプレス 動いて健やかに35
2023年8月22日掲載