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肩関節拘縮 凍結肩 凍って硬くなった肩

くびと肩

凍った肩

肩の関節が固くなって動きが悪くなることを肩関節拘縮といいます。

まるで肩が凍ってしまったようになるため、英語ではフローズン・ショルダー(凍った肩=凍結肩)と呼ばれています。

原因は、いわゆる四十肩、五十肩といわれる「肩関節周囲炎(詳しくはこちら)」です。

肩関節周囲炎が長く続くと、次第に肩のまわりの筋肉や腱が癒着してしまうためです。

肩関節拘縮の症状

肩の関節は人体で最大の動きをする関節です。頭に手をあげて髪の毛を洗ったり、腰に手を回して、エプロンや帯をしめたりするときに、無意識のうちに肩の関節は大活躍しています。

この肩関節が固くなってくると、動きが悪くなり肩に痛みが出るようになります。最初は重だるい痛みが、次第にズキッとくる痛みに変わってきます。

これが進むと昼間だけではなく、夜寝ているときにも痛くなります。肩を下にして寝たり、寝返りをうつ時に肩の痛みを生じることもあります。

治 療

肩関節拘縮の研究は進んでいて、さまざまな注射や薬、リハビリなど効果的な治療があります。初期の痛みを取るには消炎鎮痛薬が効果的です。湿布などの外用薬もいいでしょう。

痛みの強いときは肩の関節にステロイドを注射することが有効です。

ステロイドは炎症をおさえる効果があり、注射によって肩の関節の炎症をおさえます。速効性がありよく効きますが、あまり頻繁には注射できません。

痛みが長引き、動きが悪くなった肩関節周囲炎や肩関節拘縮の状態にはヒアルロン酸の注射が効きます。

この注射は1回では目にみえた効果が現れません。まず週に1回、5週間注射をします。徐々に関節の動きがよくなり、痛みがとれてきます。

このほかには温熱療法などの物療が効果的です。

体 操

ひとにマッサージをしてもらってもあまり効果はありません。要はとにかく自分で動かしていくことです。かたくなった肩の関節を動かして治していきます。

凍結肩に対する運動は、以下のものなどが代表的なものです。

  • タンスの上のへりに手をかけて腰を下ろしていく。そうすると肩が自然に挙がっていきます。これを「タンス体操」といいます。
  • 腰に手を当てるようにして親指を立て背骨に沿って親指を徐々に上にあげていきます。これを「帯むすび体操」といいます。
  • 立ったままの姿勢で腰をおり上半身を前かがみにします。そのままうでを下におろして手をぶらぶらさせます。この時手にアイロンなどをもって行ってもいいので「アイロン体操」とよばれています。

 

日本整形外科学会の説明

日本整形外科学会の肩関節周囲炎の説明はこちらです。
日本整形外科学会 – 「五十肩(肩関節周囲炎)」)

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