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鼡径部痛(そけいぶつう)症候群 グロインペイン症候群

下肢, スポーツ整形外科

鼡径部(そけいぶ)とは?

いわゆる股(また)、太もものつけ根の部分をを鼡径部(そけいぶ)といいます。
鼡径部の奥には股関節があり、その前には股関節を曲げる大腿四頭筋が走っています。さらにその前を足の先まで血液を送る大腿動脈という太い血管が走っています。
股関節の後ろには殿筋というお尻の筋肉があります。股関節と殿筋の間には足先までの運動や知覚をつかさどる坐骨神経があります。

鼡径部が痛くなるスポーツ障害

鼡径部には走ったり、蹴ったりする時に重要な筋肉があり、この部位が痛くなることがあります。サッカー選手に多いのですが、陸上やその他のスポーツでもみられます。
これを鼡径部痛(そけいぶつう)症候群といいます。英語ではグロインペイン症候群といいます。グロインとは「鼡径部」という意味です。

鼡径部痛症候群の症状と診断

鼡径部痛症候群になるとスポーツの時に鼡径部が痛くなり、走ったりジャンプすることが難しくなります。
レントゲンなどの検査では異常はみられません。だから「レントゲンで異常がないので様子をみるよう」といわれることもあります。しかし意外に長びき、ランニングやキックの動作で痛みが続くことがあります。

痛みの感覚はアスリート本人にしかわかりません。それをしっかり聞き取り、痛みをとっていきます。しかし、中には股関節自体に問題があるインピンジメント症候群や、骨盤の筋肉付着部の裂離骨折、股関節唇損傷などが、かくれていることもあります。

これらの障害をみつけるためMRIやエコーをおこなうこともあります。

原 因

原因は股関節まわりの筋肉のバランスが悪く、腰や股関節から下肢全体の動きの協調性が悪いことです。

似た障害に股関節インピンジメント症候群や、股関節唇損傷など、股関節まわりのいくつかの障害があります。

これらの障害の原因はいずれも股関節の周りのじん帯や、軟骨によるものです。

治 療

治療は痛みの強い時には内服薬や外用薬などの薬を使用したり、ブロック注射を行うこともありますが、リハビリや運動療法が中心になります。ストレッチや、股関節まわりの筋トレが効果的です。

スポーツをした後には鼡径部のクーリングをしっかり行うことが大切です。強すぎるマッサージは炎症をこじらせることもあります。

日本スポーツ協会公認スポーツドクターは、このような運動時の痛みについて、アスリートと相談しながら指導を行います。

当院の谷川浩隆は日本スポーツ協会公認スポーツドクターです。スポーツドクターの検索はこちら

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