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リウマチはどうやって診断するのか?

リウマチ・痛風

「診断」とは

診立て(みたて)ということばがあります。医者が患者さんを診て、どういう病気か決めることでこれを「診断」といいます。診断は医者の直観で決めるものではありません。診断するにはかならず根拠があります。
またいくら科学が発達してといっても、機械的な検査だけで診断できるわけではありません。
関節リウマチがどうかを診断するにも、きちんとした基準があります。このような基準は科学的なデータに基づいて学会で検討されて決まったものです。

リウマチの古い診断基準

1987年に作られたものが23年間使われていました。この診断基準は次の7項目のうち4つあてはまるとリウマチと診断できるというものです。

1)朝の手のこわばり
2)3つ以上の関節炎
3)手の関節炎
4)左右対称の関節炎
5)リウマトイド結節(皮膚の下にごろっとした腫瘤ができる)
6)血液検査でリウマチ因子が陽性
7)レントゲンでリウマチの変化がみられる

リウマチの新しい診断基準=分類基準

2010年に23年ぶりに診断の決まりがあたらしくなりました。
新基準はACR/EULAR2010分類基準と呼ばれています。
新しい分類基準では次の4点を点数化して満点10点のうち6点を越えたらリウマチと診断するというものです。

1)罹患している関節数
2)血清反応(抗CCP抗体とRF検査)
3)炎症反応(CRPか血沈検査)
4)罹病期間(症状が6週間以上続いているかどうか)

の4項目を点数化して診断します。

具体的な点数

点数が多いほど関節リウマチの可能性が高いということです。
満点は10点で6点以上を関節リウマチと診断します。

1)罹患している関節の数

大きな関節の1カ所0点
大きな関節の2~10カ所1点
小さな関節の1~3カ所2点
小さな関節の4~10カ所3点
最低1つの小関節を含む11カ所以上5点

2)血清反応(抗CCP抗体とRF検査)

RF,CCP抗体の両方が陰性0点
RF,CCP抗体のいずれか低値陽性2点
RF,CCP抗体のいずれか高値陽性3点

3)炎症反応(CRPか血沈検査)

CRP,ESRの両方が正常0点
CRPもしくはESRのいずれか高値1点

4)罹病期間(症状が6週間以上続いているかどうか)

6週未満0点
6週以上1点

診断に大切なのは診察

古い診断基準をみると、機械による検査は6)の血液検査と、7)のレントゲンだけ。
あとの5つは検査ではなくて診察で決まります。

新しい診断基準でも4つの項目のうち機械による検査は2)3)の2項目。
残りの2項目は医者による診察です。
4項目を点数化して満点(一番病勢が強い)は10点。6点以上だと関節リウマチと診断されます。
機械による検査の項目の満点は4点
診察の項目の満点は6点、
つまり診察の方が比重が高いのです。このような項目をみながら診断をしていきます。

日本リウマチ学会ではリウマチ診療のエキスパートとしてリウマチ専門医を認定しています。
当院の谷川は日本リウマチ学会専門医のほかに、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本リウマチ財団登録医の3資格を取得しています。

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