圧迫骨折が起こりやすいところ
脊椎は首からお尻まで、芯棒のようにからだを支えていて、上から頚椎、胸椎、腰椎、仙尾椎とわかれています。
腰痛を起こすところは背中から腰にあたる、胸椎と腰椎です。このうち、胸椎の下の方と腰椎の上の方を合わせて胸腰椎移行部(きょうようついいこうぶ)といい、ここは圧迫骨折がおこりやすいところです。
圧迫骨折の原因
圧迫骨折というのは、脊椎にたての力が加わって、つぶれてしまう状態です。
原因としては高いところからの転落や、しりもちなどの転倒があります。圧迫骨折は、通常はかなり大きな衝撃が原因で起こるため「高エネルギー外傷」と呼ばれています。
骨粗しょう症による圧迫骨折
しかし中には、さほどの力が加わっていないのに、つぶれてしまう脊椎圧迫骨折があります。骨粗しょう症があると、家の中でしりもちをついたりするだけで圧迫骨折をおこしてしまいます。70歳を超えると、かなり多くの人が、知らないうちに圧迫骨折を起こしているといわれています。その結果として、背中が丸くなったり、身長が低くなってきます。
知らないあいだに骨折をしている
まったく原因がないのにレントゲンを撮ってみるとつぶれている人もいます。これは骨粗しょう症によって、骨がもろくなった人に多く起こります。このような人は慢性の腰痛があります。
「以前、転んでしばらくのあいだ腰が痛かった」という経験のお持ちの方の中には、レントゲンを撮ると圧迫骨折をおこしている人もたくさんいます。
圧迫骨折が起こった後の治療
骨粗しょう症と診断するためには専用の骨密度の測定器で骨密度を計測しなければなりません。しかし圧迫骨折があれば、それだけで骨粗鬆しょう症と診断ができるのです。
圧迫骨折がみつかっても痛みの治療しかしないで、骨粗しょう症についてなにも治療をしないでいると、次々と圧迫骨折の連鎖が起こります。進行すると寝たきりの原因にもなります。
圧迫骨折があったら、骨粗しょう症について適切な治療をすることが大切です。きちんとした治療をすることで連鎖骨折は十分に予防できます。