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手根管症候群

上肢

症 状

手の指がしびれる病気です。特に中指と人さし指がしびれることが多く、時にはおや指もしびれます。

手の指のシビレはびりびりといやな感じであり、夜寝ていると明け方近くになって手がじんじんしてくることもあります。手を振ったり、マッサージをすると一時的にシビレが軽くなることがあります。

手首を手のひら側に曲げるとしびれが強くなります。また手首の手のひら側をたたくと指がびりびりします。

症状があるのに放置しておくと、次第におや指のつけ根の筋肉がやせてきてしまいます。そうなるとものがつかみにくくなくなります。

なりやすい人

女性に多く起こることから、女性ホルモンと関係しているともいわれていますが、はっきりしたことはわかっていません。

また、トンカチを使う、とか振動する機械を長時間使い続けるなど、手に力が入るような作業に従事している人がなることがあります。

手首の骨折後に起こることもあります。これは骨折したところの骨がつくときに骨の変形が生じて、その部分で神経が圧迫されるからだといわれています。

10~20代の若い人はほとんどおこりません。50才以降の比較的中高年の方がなりやすい傾向にあります。

原因と診断

手首のてのひらがわには正中神経という手の指に行く神経があります。この正中神経は手首で手根管というトンネル通ります。その手根管が狭くなってしまうと、正中神経が圧迫されてしびれを出すのです。狭くなる原因はあることもあり、はっきりしないこともあります。

特有のしびれ方と症状から、整形外科専門医を受診すれば診断できます。

治 療

しびれをとるためのビタミンBの飲み薬があります。ビタミンBは神経の栄養になります。しびれが強く痛みをともなうような場合は、正中神経が障害されていることによる痛みが出ているので神経障害性疼痛治療薬という薬が効くことがあります。神経障害性疼痛治療薬にはプレガバリンやガバペンチンがあり、とてもよく効く患者さんもいます。このような内服薬でよくならない場合は、手根管に少量のステロイドという炎症を抑える薬を注射をします。これでしびれが取れることが多いのです。

注射でも治らなかったり筋肉がやせてくるようであれば手術をすることがあります。手術は手のひら側の手首に近いところ、つまり手根管を小さく切開して神経をゆるめます。最近は内視鏡での手術もあり、ごく小さな切開とわずかな時間で手術を終えられます。

しかし、シビレのみで筋肉のやせがない段階であれば、内服薬や注射でかなりよくなります。


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