病気を調べる | 谷川整形外科クリニック | 松本市の整形外科 https://www.tanikawaseikei.jp 長野県松本市の谷川整形外科、リウマチ科・リハビリテーション科・スポーツ整形。松本市あがたの森のすぐそばにあるクリニックです。腰痛、肩こり、関節痛などの運動器疾患を幅広く診療します。小さなことでも遠慮せず、お気軽に受診してご相談ください。 Mon, 25 Mar 2024 02:44:15 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.9.25 https://www.tanikawaseikei.jp/wp-content/uploads/2016/03/favicon-150x150.jpg ページが見つかりませんでした – 谷川整形外科クリニック | 松本市の整形外科 https://www.tanikawaseikei.jp 32 32 158967413 悩むよりまず歩こう(MGプレス 動いて健やかに41) https://www.tanikawaseikei.jp/blog/2024/03/25/3254 Mon, 25 Mar 2024 02:41:21 +0000 https://www.tanikawaseikei.jp/?p=3254 今年の秋のはじめ、私に一本の電話がかかってきました。「はじめまして。『腰痛は歩いて治す からだを動かしたくなる整形外科』を読みました」と、私が書いた本をあげて名乗ったのは有名な週刊誌の記者さんでした。「整形外科医が自ら実践している『からだにいいこと』を特集したいのでインタビューさせて」とのこと。本を読んでもらっていたことに気を良くした私は、その依頼を引き受けることにしました。

インタビューでは自分自身が実践している健康法をお話しました。つまり本のタイトルのとおり、ウオーキングがいかに健康に良いか、ということについて。そのほかに腰痛や肩こりの予防になる体操も紹介しました。

腰痛に限らず、糖尿病、心臓病のような内科の病気にも運動はとても効果があります。ところが、運動といっても「さて、何から始めたらいいかわからない」と悩んでいる人は意外に多いと思います。そして悩んでいる人ほど、悩んでいるだけで実際に体を動かしていません。運動の中でもウオーキングは最も簡単で効果的。悩むよりまず歩け、とにかく体を動かそう、というのが私の主旨です。

取材から2週間ほど経ったころ新聞をみていたら、週刊誌の広告欄に「整形外科医が伝授する『私のセルフケア』」とあるのをみつけました私は「これだ」とうれしくなり、コンビニに行っておもわず2冊買ってきてしまいました。週刊誌には私の名前入りで、お話したことがイラストをつけて詳しく紹介されていました。

「歩く」という運動は体だけではなく心にも効果があります。少しでも多くの人が読んでくれてウオーキングを生活習慣にしてもらえればいいと思います。ただし心臓病などの内科疾患や整形外科の病気によっては運動をしないほうがいいものや、時期によってはしてはいけないものもあります。必ず医者に行って運動をしていいか相談してから歩き始めてください。

(MGプレス 動いて健やかに41 2023年12月5日掲載)

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五十肩 焦らずゆっくり(MGプレス 動いて健やかに7) https://www.tanikawaseikei.jp/blog/2024/03/22/3250 Fri, 22 Mar 2024 07:25:24 +0000 https://www.tanikawaseikei.jp/?p=3250 肩の関節が痛み、動きが悪くなる五十肩。昔は寿命が今よりも短く五十才といえば高齢だったので、五十肩は「長命病」と呼ばれていました。

五十肩は医学的には肩関節周囲炎といいます。髪を結うために後頭部に手をもっていく動作を結髪動作、帯を結ぶために腰に手をあてる動作を結帯動作といいます。五十肩では結髪動作や結帯動作ができなくなります。無理にやろうとするとするどい痛みを感じます。夜、寝返りをしただけで痛みが強くなってしまうこともあります。五十肩は急に発症することもあれば、ゆっくり進行して気がついたらバンザイができなくなっていた、ということもあります。肩の動きが強く制限されることを肩関節拘縮といいますが、あたかも肩が凍っているようなので凍結肩とも呼ばれ、治るまでに数か月以上かかることがあります。

五十肩の治療でもっとも重要なのは運動療法。痛いところにはどうしても手がいってしまうものですが、ただゴリゴリと力任せに強い力でもむのはお勧めできません。痛みと相談しながらゆっくり肩の関節を動かしていくことが大切です。立ったまま肩と同じ高さのものにつかまり、腰を下げていく運動は自然とバンザイのかっこうになり効果的。また結帯動作を繰り返しすることも肩関節拘縮の予防になります。

温熱療法などの物理療法は五十肩の重要な治療のひとつ。消炎鎮痛薬も効果的です。「痛み止めは痛みを止めるだけでしょ」と決めつけて鎮痛薬をいやがる患者さんがいますが、鎮痛薬には消炎作用といって「炎症をおさえる」という重要な作用があります。

さらにステロイドやヒアルロン酸を肩関節に注射する治療もあります。ステロイドは関節の炎症をおさえる作用があり、またヒアルロン酸は関節の潤滑剤で軟骨を保護します。治療には時間はかかることもありますが、すべての整形外科の病気がそうであるように「決めつけない、あせらない、あきらめない」で動かしていくことが大切です。

(MGプレス 動いて健やかに7 2021年9月21日掲載)

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母指CM関節症(手首の親指側で、手首から少し親指よりの痛み) https://www.tanikawaseikei.jp/blog/2021/11/05/2835 Fri, 05 Nov 2021 09:02:15 +0000 https://www.tanikawaseikei.jp/?p=2835

親指の関節

おや指の関節は3か所あります。
一つ目は親指の真ん中のIP関節、二つ目は指のつけねのMP関節といいます。三つめは手首の近いところにあるCM関節です。

ばね指とCM関節症

MP関節が痛くなるのは、ばね指です。ばね指は親指を曲げる腱が炎症を起こします。ばね指になるとMP関節の手のひら側がとても痛くなり、何かを握るときに、そこがあたると痛みを感じます。

進行すると親指の曲げ伸ばしの時に、ひっかかりがでるようになります。朝になると、指が曲がったままのびない時も出てきます。

これに対してCM関節が痛くなると、ビンのふたを開けたりするときに痛みが出てきて、手首の親指側に少し出っ張りを感じる時もあります。これをCM関節症といいます。

診 断

CM関節、つまり手首のおや指側の近くに骨が出っ張ってきます。そこを押すと痛みが生じます。

親指をつかんで軸圧をかけてぐりぐり動かすと痛みが強くなります。レントゲンを撮るとCM関節症がすり減っていたり、亜脱臼しているので診断できます。

治 療

痛む部分に湿布を貼ったり、専用のサポータで固定をすると効果的なことがあります。

それでも痛みがとれない時は、関節にステロイドという消炎作用のある注射をすることで劇的に改善します。進行したCM関節症は手術でよくなる場合もあります。

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肩こりとまくらの高さ https://www.tanikawaseikei.jp/blog/2020/08/07/2577 Fri, 07 Aug 2020 00:32:00 +0000 https://www.tanikawaseikei.jp/?p=2577 肩こりで痛みが強くなると

肩こりが強い人は、くびすじだけではなく肩甲骨のあたりまで痛くなることがあります。痛みが強い時には、肩の関節からうでや手指にまで重だるさやしびれが出てくる場合もあります。

 

まくらの高さ

このように肩こりの強い人で「まくらの高さ」が気になっている人は多いと思います。では、まくらの高さはどのくらいが一番いいのでしょうか。まくらの高さについては「高いのがいい」とか「低い方がいい」など、さまざまな意見があります。そのほかにマクラの硬さ、材質、形状など、ネットや本にも数多くのことが書かれています。そしていろいろなマクラが開発されています。

寝ているときの姿勢が一番自然

人は寝ている間、無意識に必ず何回か寝返りをします。寝入りから朝まで同じ姿勢ということは絶対にありません。寝てから起きる間には、仰臥位(ぎょうがい)といって、いわゆる仰向けに寝ている時間もあれば、側臥位(そくがい)といって横向きに寝ているときもあるのです。誰でも寝ている間、無意識にくびやかたの位置を調節しているのです。

人間、起きているときはいろいろ考えすぎて、かえって変な恰好をとったりしますが、無意識の時は「本能に従って」うまくからだを調節しているのです。寝ているときの姿勢が一番自然、といってもいいのです。

ちょうどいいまくらの高さとは

「何ごとも中庸(ちゅうよう)が大事」といいますが、まくらも同じです。なくても困りますし、とはいっても、あまり高いまくらや不自然な首の形になるまくらは勧められません。

まくらの高さを決める良い方法として、まず横向きに寝てみてください。そのとき、後頭部の中央からお尻までの背骨(脊椎)が一直線になるような形が一番いいでしょう。またストレートネックや、首が固くて上が向きにくい人にもあったまくらの高さがあります。

お気軽にご相談ください。

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関節炎と関節症 https://www.tanikawaseikei.jp/blog/2020/04/07/2511 Tue, 07 Apr 2020 07:41:04 +0000 https://www.tanikawaseikei.jp/?p=2511 炎症とは?

手足や肩腰の痛みがあって診察を受け、「炎症がおきています」と説明を受けたことがある方は多いと思います。

「炎症」とはなんでしょうか。炎症は人のからだで起きるもっとも多い病的状態です。

炎症をおこすと、その場所には「痛み」が出て、「腫れ」を起こし、「赤み」が出て「熱っぽさ」を伴います。

この「疼痛」「腫脹」「発赤」「熱感」を炎症の4徴候といいます。

炎症の原因

つまり炎症とは体の一部が「燃えている」状態です。炎症をおこす原因はさまざまです。外傷やからだの使いすぎなどでもなります。細菌やウイルスなどの外敵と自分のからだが戦うために、炎症をおこすこともあります。

またがんの場合も、がんによって組織が障害されると炎症が起こります。

いろいろな「~炎」

からだに炎症が起こる場所によって「~炎」という病名がつきます。肺炎、気管支炎、筋炎、腱鞘炎、口内炎、胃炎、腸炎、肝炎、膵炎、神経炎、脳炎、椎間板炎、脊椎炎などさまざまです。

関節炎とは

関節炎は関節に炎症を起こすことです。「炎症」をおこすと、その場所には「痛み」と「腫れ」、「赤み」が出て「熱っぽさ」を伴います。

「ひざの関節に炎症をおこしていますね」「肩の関節まわりの炎症です」などといわれた人もいると思います。

腰痛や肩こり、関節痛も炎症によるものがあります。関節リウマチは、関節に炎症が発生してしまう病気です。

関節炎の原因

関節炎の原因としては関節リウマチや痛風、あるいは関節にばい菌が入ってしまうようなことがあげられます。

関節症とは?

膝などの痛みが出たり、手や足の関節がはれたり赤くなったりして「関節炎」とか「関節症」といわれることがあります。

関節炎はわかりましたが、それでは関節症とは何でしょうか。

「関節症」は年齢による関節の変化が主体です。関節の軟骨がすりへったり、それによる関節の変形が出てきます。変形があるものは変形性関節症ともよばれます。変形性関節症は膝だけなく股関節や手関節、肘関節にもあります。

関節炎と関節症はどう違うのか

関節炎が急な痛みが出るのに対して、関節症は一般的に慢性的なことが多いです。

もちろん関節症でも関節がはれたり、痛みが強くなることもあります。つまり「関節症は、関節炎も含むふくむ、よりおおきな概念」なのです。そんなわけなので関節炎と関節症をほとんど同じような意味で使うこともあります。

多いのは膝や股関節の変形性関節症や、リウマチによる手首や指の関節炎、痛風による足のおやゆびの関節炎などです。いずれも、問題は関節の痛みや、関節の動きの悪さです。「年齢的なものだからしかたない」とあきらめずに、適切な治療をすれば炎症や痛みを抑えられます。

関節症や関節炎の治療

関節症や関節炎の治療の目的は痛みをとるということなのです。

ですから治療は、炎症をうまくコントロールすることです。炎症をおこす原因をつきとめて、それに対する治療を行うことです。「炎症」に対する治療手段は日に日に進歩しています。

お気軽にご相談ください。

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肩関節拘縮 凍結肩 凍って硬くなった肩 https://www.tanikawaseikei.jp/blog/2020/03/30/2508 Mon, 30 Mar 2020 00:59:02 +0000 https://www.tanikawaseikei.jp/?p=2508 凍った肩

肩の関節が固くなって動きが悪くなることを肩関節拘縮といいます。

まるで肩が凍ってしまったようになるため、英語ではフローズン・ショルダー(凍った肩=凍結肩)と呼ばれています。

原因は、いわゆる四十肩、五十肩といわれる「肩関節周囲炎(詳しくはこちら)」です。

肩関節周囲炎が長く続くと、次第に肩のまわりの筋肉や腱が癒着してしまうためです。

肩関節拘縮の症状

肩の関節は人体で最大の動きをする関節です。頭に手をあげて髪の毛を洗ったり、腰に手を回して、エプロンや帯をしめたりするときに、無意識のうちに肩の関節は大活躍しています。

この肩関節が固くなってくると、動きが悪くなり肩に痛みが出るようになります。最初は重だるい痛みが、次第にズキッとくる痛みに変わってきます。

これが進むと昼間だけではなく、夜寝ているときにも痛くなります。肩を下にして寝たり、寝返りをうつ時に肩の痛みを生じることもあります。

治 療

肩関節拘縮の研究は進んでいて、さまざまな注射や薬、リハビリなど効果的な治療があります。初期の痛みを取るには消炎鎮痛薬が効果的です。湿布などの外用薬もいいでしょう。

痛みの強いときは肩の関節にステロイドを注射することが有効です。

ステロイドは炎症をおさえる効果があり、注射によって肩の関節の炎症をおさえます。速効性がありよく効きますが、あまり頻繁には注射できません。

痛みが長引き、動きが悪くなった肩関節周囲炎や肩関節拘縮の状態にはヒアルロン酸の注射が効きます。

この注射は1回では目にみえた効果が現れません。まず週に1回、5週間注射をします。徐々に関節の動きがよくなり、痛みがとれてきます。

このほかには温熱療法などの物療が効果的です。

体 操

ひとにマッサージをしてもらってもあまり効果はありません。要はとにかく自分で動かしていくことです。かたくなった肩の関節を動かして治していきます。

凍結肩に対する運動は、以下のものなどが代表的なものです。

  • タンスの上のへりに手をかけて腰を下ろしていく。そうすると肩が自然に挙がっていきます。これを「タンス体操」といいます。
  • 腰に手を当てるようにして親指を立て背骨に沿って親指を徐々に上にあげていきます。これを「帯むすび体操」といいます。
  • 立ったままの姿勢で腰をおり上半身を前かがみにします。そのままうでを下におろして手をぶらぶらさせます。この時手にアイロンなどをもって行ってもいいので「アイロン体操」とよばれています。

 

日本整形外科学会の説明

日本整形外科学会の肩関節周囲炎の説明はこちらです。
日本整形外科学会 – 「五十肩(肩関節周囲炎)」)

お気軽にご相談ください。

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鼡径部痛(そけいぶつう)症候群 グロインペイン症候群 https://www.tanikawaseikei.jp/blog/2020/03/23/2503 Mon, 23 Mar 2020 01:16:18 +0000 https://www.tanikawaseikei.jp/?p=2503 鼡径部(そけいぶ)とは?

いわゆる股(また)、太もものつけ根の部分をを鼡径部(そけいぶ)といいます。
鼡径部の奥には股関節があり、その前には股関節を曲げる大腿四頭筋が走っています。さらにその前を足の先まで血液を送る大腿動脈という太い血管が走っています。
股関節の後ろには殿筋というお尻の筋肉があります。股関節と殿筋の間には足先までの運動や知覚をつかさどる坐骨神経があります。

鼡径部が痛くなるスポーツ障害

鼡径部には走ったり、蹴ったりする時に重要な筋肉があり、この部位が痛くなることがあります。サッカー選手に多いのですが、陸上やその他のスポーツでもみられます。
これを鼡径部痛(そけいぶつう)症候群といいます。英語ではグロインペイン症候群といいます。グロインとは「鼡径部」という意味です。

鼡径部痛症候群の症状と診断

鼡径部痛症候群になるとスポーツの時に鼡径部が痛くなり、走ったりジャンプすることが難しくなります。
レントゲンなどの検査では異常はみられません。だから「レントゲンで異常がないので様子をみるよう」といわれることもあります。しかし意外に長びき、ランニングやキックの動作で痛みが続くことがあります。

痛みの感覚はアスリート本人にしかわかりません。それをしっかり聞き取り、痛みをとっていきます。しかし、中には股関節自体に問題があるインピンジメント症候群や、骨盤の筋肉付着部の裂離骨折、股関節唇損傷などが、かくれていることもあります。

これらの障害をみつけるためMRIやエコーをおこなうこともあります。

原 因

原因は股関節まわりの筋肉のバランスが悪く、腰や股関節から下肢全体の動きの協調性が悪いことです。

似た障害に股関節インピンジメント症候群や、股関節唇損傷など、股関節まわりのいくつかの障害があります。

これらの障害の原因はいずれも股関節の周りのじん帯や、軟骨によるものです。

治 療

治療は痛みの強い時には内服薬や外用薬などの薬を使用したり、ブロック注射を行うこともありますが、リハビリや運動療法が中心になります。ストレッチや、股関節まわりの筋トレが効果的です。

スポーツをした後には鼡径部のクーリングをしっかり行うことが大切です。強すぎるマッサージは炎症をこじらせることもあります。

日本スポーツ協会公認スポーツドクターは、このような運動時の痛みについて、アスリートと相談しながら指導を行います。

当院の谷川浩隆は日本スポーツ協会公認スポーツドクターです。スポーツドクターの検索はこちら

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関節リウマチの治療目標 https://www.tanikawaseikei.jp/blog/2020/03/10/2494 Tue, 10 Mar 2020 00:43:12 +0000 https://www.tanikawaseikei.jp/?p=2494 治療目標とは

リウマチに限らず、病気の治療には「治療目標」というものがあります。
たとえば「血圧が高い」ということで降圧薬を飲む。ここまではいいのです。しかしそれがまん然といつまでも続く、というのは現代医療のあり方ではありません。

定期的に検査をして、それに応じて薬や治療を見直し、そして改善がみられたら不要な薬はできるだけ早くやめる。これはどのような病気についてもいえることです。

治療のゴール、つまり治療目標を設定して、それにむかって効率的な治療をすることが大切です。

関節リウマチの治療目標

関節リウマチの治療でも「どのような状態をめざすのか」ということがとても重要なことです。
治療目標に近づくために、どのような治療がよいかが検討されています。

リウマチの場合は「治療推奨」という治療指針が学会で定められています。
いくつかの項目がありますが、重要なことは、リウマチと診断されたらできるだけ早く薬を使って病気の進行をとめること、そして治療を続けて病気が治るか、あるいは勢いが弱まるようにすることをめざします。

リウマチの寛解

病気が治ることを治癒といいます。

関節リウマチでは、この状態を寛解(かんかい)と呼びます。

リウマチが寛解あるいは低疾患活動性に到達することを目標に治療することが重要です。

このためにはまん然と同じ薬を投与していたのではだめで、効果のない薬をいたずらに継続することはあまり意味がありません。

T2Tとは?

リウマチの治療の考え方として有名なものにT2Tがあります。ティートゥーティーと読みます。Treat to Targetの略です。

日本語に訳すと「治療の標的」=「治療目標」です。
本当ならT to Tですが、toと2が同じトゥーという発音なのでT2Tと書きます。

T2Tは4つの基本的な考え方と10の勧められる治療からできています。

くわしくはリ「リウマチ情報センター」をご覧ください。

4つの基本的な考え方

  1.  患者さんとリウマチ医が相談して治療する
  2.  治療ゴールは患者さんの生活の質を最大限に改善することである
  3.  炎症を取り除くことが最も重要
  4. 病気の状況を定期的に評価して、その都度治療方法を検討していく
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腰椎すべり症 https://www.tanikawaseikei.jp/blog/2020/02/28/2489 Fri, 28 Feb 2020 01:01:57 +0000 https://www.tanikawaseikei.jp/?p=2489 腰椎すべり症とは

腰痛の原因として「腰椎すべり症」があります。
名前の通り、ブロックのようにつみ重なっている腰椎という腰の骨がずれてきて、レントゲンを撮るとすべっているのがみえます。

すべり症の症状

すべり症のもっとも多い症状は腰痛です。腰をのばしたりまげたりするときに腰痛があります。歩くときに痛みが強くなることもあります。
腰からは坐骨神経がでています。すべっているところで坐骨神経があたるとお尻から足にしびれや痛みが出ることもあります。
すべり症によって「腰部脊柱管狭窄症(当院HP内の「病気の説明」へ)」がおこることがあります。

すべり症の種類

すべり症の種類は大きく2つのものがあります。

  1.  もともと「腰椎分離症(当院HP内の「病気の説明」へ)」があって、分離したところからすべっていってしまう「分離すべり症」です。
  2. 分離症がないのに、徐々にすべってしまう「無分離すべり症」です。これは「変性すべり症」ともいわれます。

50歳以降の中年以降に発症するすべり症は、腰椎が徐々に年齢的な変形を起こす「変性すべり症」が多いのが特徴です。

すべり症になったらあまり動かない方がいいの?

「すべり症」などといわれると、何かこわい名前の病気のように感じてしまいますが、決して心配することはありません。

「動くと、もっとすべってしまう」と思い込んで運動をしなくなってしまったり、腰を動かすことをこわがってしまう患者さんがいます。

しかし運動をすることによってすべりがひどくなるということはありません。それどころか、背筋や腹筋をきたえることによって腰椎の固定力はよくなり、すべりを防止する効果さえあるのです。

逆に安静にしてばかりいて腰の筋力をきたえないでいると、腰まわりの筋肉がやせてきて腰が不安定になります。するとますます腰痛が強くなってしまうのです。

つまり、すべり症であっても、しっかりした診断と指導のもとに、腰のストレッチや筋トレを行っていけば腰痛を改善できます。

すべり症に効果的な治療法

腰痛に対してはお薬やブロック治療が効果的なことがあります。お薬の中には消炎鎮痛薬のほかに筋肉の緊張をとる薬、足の血流をよくする薬、慢性の痛みを取る薬など、20種類以上の薬が開発されています。

また、もっとも効果的な治療法は運動療法です。
くりかえしになりますが、コアマッスルと呼ばれる背筋や腹筋などの体幹筋をきたえることによって腰椎の固定力はよくなります。するとそれ以上のすべりを防止する効果さえあるのです。

逆に安静にしてばかりいると腰まわりの筋肉がやせてきて腰が不安定になります。するとますます腰痛が強くなってしまうのです。このような「動かしてはいけない」というまちがった思い込みを、治療していく方法があり認知行動療法といって、最近では腰痛治療の主流になってきています。

つまり、すべり症であっても、しっかりした診断と指導のもとに、腰のストレッチや筋トレを行っていけば腰痛は改善できます。

具体的な腰痛体操については「腰痛は歩いて治す からだを動かしたくなる整形外科」(講談社現代新書)にあります。

すべっているからといって腰痛が一生続くということはありません。適切な治療で腰痛はかなりよくなります。

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野球肘 https://www.tanikawaseikei.jp/blog/2020/01/20/2470 Mon, 20 Jan 2020 07:04:50 +0000 https://www.tanikawaseikei.jp/?p=2470 スポーツによるひじの故障

スポーツで上肢を酷使すると肩やひじが痛くなることがあります。
特にひじの痛みは投球動作がある野球、ラケットで球を打つテニスなどでよくおこります。
野球で起こるひじ痛は「野球肘」とよばれ、注意が必要です。

起こりやすい年齢と症状

野球肘は小学校の高学年から中学の時期に起こることが多く、リトルリーグエルボーなどと呼ばれます。
最初はひじの内側の痛みから始まります。投球の時に痛みが走り、それを続けているとひじの曲げ伸ばしに制限が出てきます。

内側が痛む時はしばらくの期間の投球の中止が必要になる場合がありますが、適切な休養と筋トレやストレッチで次第に回復することがほとんどです。

しかし痛みがあるのに無理に続けていると、次第にひじの外側が痛くなってきます。この症状が出てくると関節の軟骨に障害を起こしていることがあり、より長期の休養や、検査の結果によっては軟骨を修復する手術が必要になることさえあります。

簡単にいうと

  • 「内側の痛み」=初期
  • 「外側の痛み」=進行期

ということになります。

診 断

初期ではレントゲンを撮っても異常はありません。進行期(外側の痛み)になる肘関節の外側(腕橈関節)に異常像がみられます。
レントゲンのほかにエコー検査も重要です。レントゲンでは軟骨やじん帯はみることができませんが、エコーで軟骨やじん帯に異常がみつかる時もあります。
さらにくわしく調べるにはMRIやCTが必要になります。

治 療

初期では2~4週の期間の投球の制限を行うことによって比較的早期に症状は改善します。

痛いのに無理に投球を続けていると進行期となり、投球禁止の期間は数か月を要すこともあります。軟骨の決定的なダメージがあると手術が必要になることもあります。

予 防

一番大切なことは野球肘が発生しないように予防することです。
そのためには「投げすぎない」ことが重要です。

日本高校野球連盟などの各種団体では年齢に応じた投球数制限の目安を打ち出しています。
高校生では1人当たりの1週間の総投球数を500球以内とする投球数制限が提示され、現在検討中です。
また小学校では1日50球以内の投球、週3日、1日2時間を越えないこと、最大でも週200球をこえないことが推奨されています。

痛みがでてきたら無理をせずにすぐにスポーツドクターを受診してください。
日本整形外科学会や日本整形外科スポーツ医学会のホームページにも野球肘についての解説が載っています。

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