ひざの水はなぜたまるのか

ひざ, ひざ、股関節、足, 整形外科全般

ひざが腫れる、水がたまる、こういうことがあります。
ある程度の年齢になってひざの軟骨がすり減ってくると、関節が炎症を起こすことがあります。それほどすり減っていない年齢でも、ひざの関節が炎症を起こすことがあります。

関節を包む関節包という袋の内側には、滑膜という薄い膜があります。関節が炎症を起こすと、この滑膜から関節液がどんどん産生されてしまうのです。

炎症を起こした時の関節液には、サイトカインと呼ばれる炎症物質がたくさん含まれています。この炎症物質が、さらに炎症を呼び関節の腫れを長引かせます。

このような時には、炎症物質を含んだ関節液の代わりに、軟骨を保護したり、炎症を止める作用のある液体に置きかえる治療があります。
いわゆるヒアルロン酸と呼ばれる関節軟骨を保護する物質などです。

自動車のエンジンオイルに例えるとお話が分かりやすくなります。関節が炎症を起こしてたまっている水は、正常な水ではありません。

自動車の汚れてしまったエンジンオイルはますますエンジンをいためます。炎症物質がある関節液が関節をいためるのと同じです。ヒアルロン酸や炎症を止める物質に入れ替えるのは、きれいなオイルにいれかえるのと同じです。

「水を抜くとくせになる」という言い伝えがありますが、整形外科医の中でそのようなことをいう人はいません。「水を抜く」というよりは「よごれた水をきれいな水にいれかえる」という発想なのです。