手術をした方がよいのか、しなければいけないのか

整形外科全般

「病院で手術をした方がよい、といわれたのですが、手術は必要でしょうか」

患者さんから、こう聞かれることがあります。
ひざの痛みに対する人工関節の手術や、腰部脊柱管狭窄症による坐骨神経痛を治すための腰の手術などが整形外科の代表的な手術です。
しかし、できれば手術せずに治したいのが患者さんの本当の気持ちです。

では手術をするかどうかは、どうやって決まるのでしょうか。
「レントゲンやMRIをみて先生が決めるもの」と思い込んでいる患者さんがたくさんいらっしゃいます。ところがこれは大まちがいなんです。
整形外科の手術は「痛みをとるための手術」です。ですからレントゲンやMRIが同じ二人の患者さん、Aさん、Bさんがいたとします。しかし「痛みがなくて困っていないAさん」は手術をしません。「痛みで困っているBさん」は手術をします。
つまり手術の決め手は「患者さん自身が感じる痛み」そのものなのです。
「え、レントゲンやMRIの精密検査で手術が決まるんじゃなくて、自分の痛みで決まるの」とびっくりされる方も多いと思います。このあたりは内臓の病気の手術とは大きく違う点です。
このことは、あんがい知られていないことですが、重要なことなので、私の著書「腰痛をこころで治す -心療整形外科のすすめ」にもくわしく書かせていただきました。

手術というと「何か難しいもので、お医者さんが、いろいろ検査して、やるかやらないか決めるもの」と思われがちですが、特に整形外科の手術に関してはそれだけではないことが多いのです。
「自分にはわからない」と最初からひと任せ、医師任せにしないことが重要です。本人がしっかり理解して納得してからでないと、同じ手術をしても、いい結果は決して出ません。
急速に進行している病気でなければ、手術の前に、それ以外のいろいろな治療を試してみることも一つの方法です。手術について一人で悩むことなく、お気軽にご相談ください。