バイオとリウマチの寛解

ひざ、股関節、足, 上肢全体, 下肢全体, 治療とくすり, 肘、手、指, 関節リウマチ

Aさんは15年来、私がずっと診させていただいている関節リウマチの患者さんです。40歳代で発症して、またたく間に手足の関節に変形が出てきました。当時はバイオと呼ばれる生物学的製剤がまだ発売されておらず、いろいろな薬を使っても病気の進行が抑えられませんでした。変形した手や足に人工関節を入れる手術もしました。

10年前にバイオというリウマチの特効薬の注射が発売されてから、すぐに患者さんにも使ってもらう事にしました。結果は劇的で、病気の進行がぴたりと止まったばかりか、こわれていた関節のいくつかは少しずつ修復されていきました。
バイオが使えるようになってから薬で治る患者さんが増えて、リウマチの手術は激減しました。

今年、私は病院を辞めて自分のクリニックを開くことになり、Aさんを引き続き診させていただくことになりました。これを機会にバイオを少しやめてみたらどうだろうか、とAさんは考え、私に提案してくれました。私は、その案はなかなかいいので、そうしてみましょう、といいました。
そして薬をやめて6カ月、なんとリウマチは全く再発しませんでした。これにはAさん自身もびっくりしたようです。リウマチが治ることを「寛解」といいます。バイオはリウマチを寛解させることができたのです。私は、Aさんのリウマチが再発しないように今後も慎重に診察していきましょうと、お話ししました。
そして先月、新しいリウマチの患者さんのBさんにバイオを初めて使っていただきました。効果はてきめん、長年苦しんでいた手や腕の痛みが2週間でなくなりました。リウマチは症状に波のある病気です。「よくなったからとすぐに油断せず、これからもしっかり診察させてもらいますよ」と話すとBさんから笑顔がこぼれました。