ひざの痛みに運動はよいか

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前回のブログに引き続き、「痛みと運動」についてです。

ひざの軟骨がすりへって、痛みが出る病気をひざ関節症といいます。日本人にはとても多く、中高年に多いのが特徴です。日本人の10人に一人、1200万人が膝関節症といわれ、このうち半数以上の700万人に治療が必要だといわれています。
治療には消炎鎮痛薬や湿布などの薬による治療、リハビリテーション、関節注射、手術などがありますが、最も基本的で重要なのは運動療法です。

ではひざが悪い患者さんはどのような運動をすればよいのでしょうか。有名なのは、イスに座った姿勢から足を伸ばしていく運動です。これは四頭筋訓練といわれ、ふとももの前にある大腿四頭筋という筋肉をきたえるのが目的です。
これに対してスクワットのような運動はひざに体重がかかるため従来はあまり勧められてきませんでした。しかし最近、このようなひざに体重のかかる運動も膝まわりの筋肉をきたえて血行を改善し、ひざを安定させるために重要であることが分かり、また言われているほど、体重がかかることがひざに悪いことではないことが分かってきました。
私もそのとおりだと思っています。よく「ひざが痛いのであまり歩かない方がいいでしょうか」とか「ひざがすり減るから歩くのをひかえた方がいいでしょうか」という質問を受けます。
「ひざがすり減るから歩かない」というのでは、本来歩くためにあるひざが、何のためにあるかわからなくなってしまいます。
むしろ、ひざの関節の軟骨には体重がかかることによる適度な刺激が必要なのです。だから歩くことはひざによいことなのです。
もちろん、膝の痛みが強い時は無理をしないでちゃんと治療を受け、できるだけ痛みを少なくしてよいコンディションにしてから運動をすることが大切です。
だから私は「激しい痛みでなければ、ひざがすり減っていても適度な運動がとても大切です。あまり心配しないで気持ちを晴れやかにして、ウォーキングを楽しんでみてください」とお話ししています。